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面接で見られる「対話力」。それは「聴く力」のことです。

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社会人に必要なチカラNO1の「対話力」 どうやって磨けば良いのか
8月1日(2015年)の就活「面接解禁」を間近に控え、「対話力」にあらためて注目が集まっている。「受験者全員を面接します 兵庫県西宮市は『対話力』重視」(朝日新聞、6月25日配信)といった取り組みも報道された。 一方で、対話力が求められるの...

によれば、

シンクタンクM1・F1総研(メディア・シェイカーズ)が発表した「ビジネスパーソン2000人に聞く『仕事で必要なスキル調査』」(2015年7月1日)によると、「働く人が考える『社会人全般に必要なチカラ』」のトップは、複数回答で91%以上の人が選んだ「対話力」だった。

とのことです。

そうなれば当然、採用の面接でも着眼点は、「対話力」があるかどうかということになります。

私も以前から、

面接はプレゼンの場だというのは大きな勘違いである理由
ある女子学生が犯した間違い 新卒採用シーズンまっただ中。 昨日も、新卒採用の面接をしてきました。 面接の冒頭、ある女子学生に型どおりに志望動機を聴いたら、彼女は明るい笑顔で元気よく話し始めました。 何故、この業界に興味を持ったかから始まって...

の記事のようにそのことを折に触れ書いてきました。じゃあ、いったい「対話力」ってどうやったら身に付けることができるのでしょうか?

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自分が話さずに売った営業マンの話

以前、私は素晴らしい営業マンに会ったことがあります。

私がまだ開発部門で技術者として働いていた頃ですが、ある電子部品メーカーの営業マンだったと思います。

とても人当たりが良く、気持ちの良い人でした。彼の何が素晴らしかったかというと、気がつくと、話しているのは彼ではなく、私がしゃべらされていたのです。しかも気持よく

彼は決して商品をPRして売り込むことはしませんでした。そのかわり、お客さんの機嫌を良くして、お客さんの口から、欲しいものを喋らせてしまったのです。

お客さんが欲しいものを喋ったら、そこでその商品を取り出してみせれば、お客さんはもう断れませんよね。それが欲しいと自分で先に言っちゃってるんですから。

彼のテクニックに気がついた時には、私はまんまと術中に落ちていました。「敵ながらあっぱれ」の心境でした。

私も長年会社に勤めている間、お客の立場で数多くの営業マンに会いましたが、彼ほどの人は他にいませんでした。それだけ印象に残っています。

「対話力」とは「聴く力」です。

この営業マンで分かるように、対話力、それもビジネスで活きる対話力は、相手の言うことを聴く力なのです。

この「聴く力」を身につけるのは、意識して訓練する必要があります。何故、意識して訓練する必要があるかというと、誰もが、「対話は自分が話さなければ成り立たない」と思い込んでいるからです。

あなたが、「自分は人と対話するのが苦手だ」と思っているとしたら、それは「何を話して良いか分からない」という悩みではありませんか? 「どう聴いて良いか分からない」という悩みではないですよね?

つまり、あなたも対話とは「話すことだ」と思い込んでいたのです。

ところが、対話とは、本当に大事なのは「聴くこと」なのです。

では、その「聴くこと」はどうやって身に付ければ良いのでしょうか?

あなたが聴けば相手は話す。それが対話です。

冒頭の記事の中でも、

対話力とは、傾聴する力や考える力、話す力、振り返る力から成立し、「相手の話に意識を集中」する必要がある。

と書かれています。

「相手の話に意識を集中」。これです。

先に書いたように、対話が苦手だと思っている人は、人と向き合ったとき、「自分が何を話そう」とばかり考えて、相手の話に意識を集中できていません。つまり、相手の話を上の空で聞いているのです。

あなたは、相手の話しが終わった途端、自分の話そうと思っていたことを話し始めます。それは相手の会話を受け取っていないので、相手にそれが伝わります。

話が途切れてしまうのは、あなたが話さないからではなく、相手が話せなくなってしまうからなのです。

ではどうすればいいのか?

相手の話を聴くことに徹するのです。

「聴くだけでこっちがしゃべらないんじゃ対話にならないんじゃないか?」と思いますか?

そうです。聴くだけではありません。あなたは、相手の話に、うなづいたり、相槌を打ったり、時には、ちょっと伝え返したりして、「相手の話に興味を持って聴いている」ことを全身で表現するのです。

すると、相手は気持ちよくなって、どんどん話します。あなたは、相手の言うことに反応していればいいのです。

それでいいのかって? だって、相手が気持ちよくなっているのですから、それで目的は達しているではないですか? それでいいのです。

「伝え返し」に徹する。それだけでいい

この「聴くこと」を「傾聴」と言います。

実は、これはキャリアカウンセラーに限らず、人と接する対人支援職全般に必要な基本的なスキルなのです。

えらそうなことを書いている私も、実はキャリアカウンセラーの実技試験で、この「傾聴」の訓練にかなり苦労しました。

カウンセリングの訓練中、どうしても「次は何を言おう?何を質問しよう?」と考えてしまうのです。そうではなく、全身全霊で相手の言うことを聴く。これが必要なのです。

試験対策訓練の講師からこう言われました。

「質問をするな!伝え返しに徹しろ!」と。

「伝え返し」とは、相手の言ったことをそのまま「~~なのですね?」と繰り返して言ったりすることです。

これ、上手な人を知っていますか? 明石家さんまさんです。

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何故彼のゲストとのトークはあんなに盛り上がるのか?

それは彼が伝え返しの天才だからです。彼は良く言いますよね。「◯◯だったんや~!」とか「あ~なるほど、◯◯ちゅうことやね!」とか。これが「伝え返し」です。

そしてゲストの言うことに、オーバー過ぎるくらいのリアクションを返します。

だからゲストは本当に楽しくなって、つい素が出てしまうし、どんどんしゃべってしまうのです。

まとめ:面接の場での「聴く力」の活かし方

今回は採用の面接の話から、調子に乗って一般論に広がってしまいましたが、皆さんもぜひ、この「聴く力」を日頃から意識してみてください。きっと面接でも役立つと思います。

もちろん、面接では面接官に「伝え返し」をするだけでは成り立ちません。ここが普通の対話と違うところですが、面接官が発する質問を「全身全霊で聴く」姿勢を取ってみてください。

自分の言いたいことを丸暗記してそれを一生懸命しゃべろうとするよりも、絶対にあなたの印象は良くなるはずです。

また、グループディスカッションが苦手だという人も、ぜひグループディスカッションの場で、「聴く力」を発揮してみてください。他の受験者の言うことを全身全霊で聴いてください。

見る目のある面接官であれば、人が話しているときに取るあなたのリアクションで、あなたには「対話力」があることが分かるはずです。

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