「平均勤続年数」や「離職率」はその定義を理解した上で判断しよう。

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離職率や平均勤続年数について学生さんから質問されることが良くある。

離職率が高いため平均勤続年数が短く、毎年多くの若者を採用している企業は要注意と言われるからだろうか。

確かに、入社してもすぐ辞めてしまう人が多い会社は心配だろう。その気持は良く分かるのだが、この離職率や平均勤続年数という数字は結構クセモノで、単純に数字だけを比較すると間違ってしまうことがある。

まず、言葉の定義を確認しておこう。

「勤続年数」
労働者がその企業に雇い入れられてから調査対象期日までに勤続した年数をいい、当概況の「勤続年数」はすべて平均勤続年数である。
厚生労働省:平成19年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況 主な用語の定義

起業して間もない会社は、明らかに平均勤続年数は少ないし、創業100年で最近は全然採用してない会社は年寄りばかりで、平均勤続年数は非常に高いだろう。若い人だけの元気の良い会社より、年寄りばかりの古い会社の方が良いといえるだろうか? 平均勤続年数の数字だけを見て、平均勤続年数が多い方が良いと単純に判断できないことは明らかだ。

社員の「平均年齢」というのも気にされることが多いが、これも同じ理由で単純には判断できない数字だ。

次に、「離職率」の定義については、

年初の常用労働者数に対する離職者数の割合
平成23年雇用動向調査の概要|厚生労働省

とある。この統計で私が気になったのは、いわゆる「定年退職者」は数に入っているのだろうか?ということだ。団塊の世代の定年ピークは過ぎ去ったとは言え、高度成長期に大量に入社した高年齢社員が多く、最近定年退職ラッシュになっている会社は多いだろう。この統計にはそういう定年退職者も離職者の一種として含まれているので、これも数字を狂わせる要因になると思う。

入社してすぐ辞める人が多いブラック企業を見分けたい、という目的だったら、例えば「過去10年間で新卒採用されて3年以内に辞めた人の率」などが良いだろうか。 いや、それも単純にはいかない。過去10年間で新卒採用1人しかしていない場合、その人が辞めてなければ0%、辞めたら100%になってしまうので。どんな数字でもそうだが、分母がいくつかを良く確認する必要がある。

要するに、単に「平均勤続年数」や「平均年齢」や「離職率」を会社がいう場合は、その数字には上記のようなわけがあるということを、分かった上で判断することをお勧めする。

と、ここまで書いていたらひとつの方法を思いついた。

「平均勤続年数」や「離職率」を「平均年齢」で割った数字を比較する。

というのはいかがだろうか?

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