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大企業に「働かないオジサン」がはびこる理由

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「働かないオジサン」の専門家が語る日本企業の人事制度の問題点――楠木 新氏(『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか』著者)インタビュー
働かないオジサンは、なぜ生まれるのか。そして彼らの給料はなぜ高いのか――。週刊ダイヤモンド2014年8月2日号第一特集でも特集している、日本企業にあるこうした問題について、早くから注目し著書もある楠木新氏にインタビューをした。

という記事の中にあるこの図がとても秀逸である。

 

 

今の日本の大企業の抱える人的問題がこの図に全て凝縮して描かれていると言っても良い。

わりと景気の良い今、大企業は新卒採用に積極的なので、比較的入社はしやすいかも知れない。

でも大量に一括採用された後の未来は、この図の通りだ。

同期が管理職になり始める年代になると、淘汰が始まる。ピラミッドの中に生き残れなかった中高年社員は、この記事で言う「働かないオジサン」となってしまう。

「働かない」には理由がもちろんある。同期で出世して管理職になったヤツと比べて自分の不甲斐なさ、もう20年も勤めているからそろそろ、仕事もマンネリしてくる。つまり飽きてくる。

何故、こんなことになるのかと言うと、まずは新卒一括採用での大量入社だ。高度成長期で、事業が拡大する一方であれば、ポストも増えていき、ポストにあぶれる「働かないオジサン」は生まれにくかった。

今はもうそういう状況ではないのに、相変わらず新卒一括採用をしているから、こういうことになるのだ。

そういえば先日、ソニーが4割いた管理職を2割に減らすと言うニュースがあった。いやいや、管理職が4割ってもともと多過ぎではないか。おそらく、部下が誰もいない名ばかり管理職、つまりポストのためのポストが増産されていたに違いない。

そういうことをしなくてはいけないということは、既に上の図のピラミッドが膨れ上がって崩れ落ちようとしているということだ。

一方、中小企業では新卒一括採用はしていると言っても、採用人数が少ない。せいぜい数名程度だ。その程度の人数であれば、20年経つうちに適度に辞めていく人が出て、ちょうどポストの数と釣り合うので、「働かないオジサン」は出現しにくい。

というか、中小企業は慢性的に人が不足しているので、管理職になろうが、現場にいようが、働かざるを得ないのだ。これは、むしろ、幸せなことだ。それが中小企業の良い所だろう。

就職先は大企業が良いか、中小企業が良いか、というのは良く見る議論のテーマの一つではあるけれど、それを判断する一つの材料として、この図を良く味わって頂ければと思う。

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