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経団連の言う「通年採用」とは何ですか? 学生の側のメリットは?

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就活の脱「横並び」合意 経団連・大学、通年採用拡大 - 日本経済新聞
経団連は22日、新卒学生の通年採用を拡大することで大学側と合意し正式に発表した。従来の春季一括採用に加え、在学中に専門分野の勉強やインターン(就業体験)に時間を割いた学生らを卒業後に選考するなど複線型の採用を進める。海外に留学した学生も採用...

という記事が出ました。

ここで書かれている「通年採用」とはどういうことなのでしょうか?

今日はこの意味と、学生の皆さんが就活するにあたって今後どう変わってくるのか?という話をしたいと思います。

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「通年採用」ならいつでも応募できるようになる

「通年採用」とは、今まで時期を決めて一斉に採用する「新卒一括採用」と違って、1年を通してずっと採用活動をするということです。

今までの「新卒一括採用」方式では、リクナビやマイナビなどに告知された会社説明会に申し込みをして参加することから選考が始まります。

会社説明会は何通りかの日程はあるものの、1年の中の一定の時期にしか開催されませんので、そのときに参加しないと、もう応募のチャンスもなくなります。

でも、「通年採用」になると、1年中いつでも応募でき、いつでも選考してくれるということですから、応募する学生の側としてはありがたいですよね。

部活の大会が終わるまでは就活に専念できないとか、海外に長期間留学するとか、公務員試験の結果が出てから民間を受けたいとか、色々な事情で会社説明会に参加しにくい学生さんは多くいます。

また、様々な理由で卒業後すぐに就職できなかった(しなかった)人、いわゆる「既卒」の人もいます。

そうした人たちにも応募のチャンスがあるということになります。

逆に言えば、企業の側として新卒で「通年採用」をやるメリットはここにあります。

超売り手市場でなかなか良い人材を採用できない今、何らかの事情で「一括採用」に参加できなかった良い学生さんを掘り起こすことになるからです。

「通年採用」は人事部にとっては大きな負担

以上のように「通年採用」は学生の側も企業の側もメリットがあるのですが、じつは新卒の場合はなかなかそうもいかないという企業側の事情があるのです。

ぶっちゃけ言うと、「通年採用」は採用業務が大変だということです。

「通年採用」の場合、1年を通していつでも応募してきた学生に対応しなくてはいけません。選考も一人ずつやらなくてはいけません。

「一括採用」であれば、ある時期に集中して会社説明会や選考をやって、予定の人数が確保できたら終了することができましたが、「通年採用」には終了がありません。

「通年採用」でも年間の予定数が確保できたら終了することはできるでしょうが、おそらく「一括採用」のように効率よくは採用できないので、1年を通してズルズルと選考を続けざるを得なくなるでしょう。

これは正直、忙しい人事部にとっては、非常に大きな負担となってきます。

やっぱり、新卒採用では一括採用が企業にとっては効率的なので、経団連が言い出したとしても、まだまだ多くの企業は従来通りの新卒一括採用を続けるはずと私は考えています。

「通年採用」は本来中途採用の手法。新卒は「通年選考」にすぎない。

「通年採用」は、本来中途採用でのやり方でした。

中途採用は欠員が生じたなど、必要が生じたときにスポット的に募集をして選考をするやり方です。必要が生じてから採用ですので、原則として採用したら即入社です。

新卒で「通年採用」をやるのは、新卒でもこのような中途採用のやり方に近づけることなのですが、どうしても同じにできないことがあります。

それは、入社時期です。

学生の場合は、通年で採用活動をやったとしても、入社してもらえるのは来年の4月です。

学生の場合は、どうあがいても、「一括入社」なのです。

ですから、その意味で、学生には「通年採用」ではなく、「通年選考」に過ぎないのです。

では、今日はこのへんで!

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