リクナビの「内定辞退予測問題」の根にある問題とは?

リクナビが、学生の了解を得ずに辞退しそうな学生の予測を企業に提供していたとして、学生や大学から猛非難を浴びて事業継続に関わる大問題になっているのは、皆さんご承知の通りです。

今日はこの話題について私が思ったことを書いてみたいと思います。

まず、この話の第一報を見たときに私が感じたことは、

「リクナビ、さすがに頭いいな!これは企業が喉から手が出るほど欲しい情報だもんな」

ということでした。

もちろん、だからと言って今回のリクナビがやったことを褒めるわけではありません。重要な個人情報を本人の了解なしに、違う使い途に使って金儲けの種にしたリクナビはやはり悪いです。

ただ、「学生の内定辞退率予測」は正直、企業が欲しい情報であることには間違いありません。だからこそ、買う企業がいて今回の問題になったのですし、私もかつては採用担当者だったので、それに手を出した企業の気持ちもわかるのです。

内定の辞退、これは企業にとってそれほど本当に頭の痛い問題なのです。

では、内定の辞退ということは何故起きるのか? 何故こんなに企業はそれを恐れなくてはいけないのか?

そもそものそこのところを、この際、企業側も考えてみるべきだと思うのです。

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「弊社が第1志望か?」を質問しても本音がわからない

新卒採用市場が売り手市場の今、学生が複数の内定を得ることはどの企業でもわかっていることです。

複数の企業の中から1社を選ばなくてはいけない状況であれば、必然的にその他の企業は辞退されることになります。

そのことは採用担当者は痛いほどわかっているので、自分の会社が「その他の企業」にならないようにあの手この手を考えます。

その1つが、

「弊社が第1志望ですか?」

と面接のときに学生に聞くということです。

第1志望だと答えた人ならば、内定を出せば来てくれる可能性が高いから、頑張って確保しよう。

第1志望だと答えない人ならば、内定を出しても辞退される可能性があるから止めておこうか。。。

ということですね。

学生の側も、「弊社が第1志望ですか?」と聞かれたときには、第1志望だと答えなければ落とされる可能性が高くなるということは誰でも想像できますので、嘘でも

「御社が第1志望です!」

と答えます。そう答えろと指導している大学や就活塾もあるでしょう。

つまり、内定辞退されるかどうかを判断しようとして質問しても、学生は嘘をつくことを企業もわかっている。わかっているのに、しかたなく聞いている。

それしか方法がないからです。

だから、AIが客観的に判断してくれる、リクナビの「学生の内定辞退率予測」が売れたわけですね。

もうそんな不毛なこと、お互いに止めませんか?

というのが今日の提案です。

企業の志望度を正直に答えることをやってみませんか?

面接で、

「弊社が第1志望ですか?」

と聞かれたら、正直に、例えば

「他に志望している企業がありまして、御社は第2志望です」

と答えてみてはどうでしょう?

あなたが採用担当者だとして、学生にそう答えられたらどうしますか?

上に書いたように、

「この学生は辞退しそうだから止めておこうか」

と思うでしょうか?

私だったら、そうは思いません。もちろん、ちょっと面白くない気持ちになるのも人情ですが、それは抑えて、

(他に志望している企業はどこだろう? その企業のどこにうちにはない魅力を感じているんだろう?)

を知りたいと思いますね。

それを知ることができれば、その学生が企業を選ぶのに大事に考えているポイントがわかりますし、その内容によっては、それに上回る魅力を今からアピールして学生を振り向かせることもできるかも知れません。

その学生がそんなに魅力的な人材でなければ不採用でもいいですが、内定を出したい、ぜひ来てほしいという人材であるならば、

第2志望だと言われたときこそ、闘志を燃やして「なんとかうちに引っ張ろう」と思うことこそ、採用担当者に必要な資質ではないでしょうか?

そして、その段階になれば、嘘のつき合いではなく、学生も本音を言っているのですから、

「この学生は内定を出せば来てくれそうかどうか」

も、AIなんかに頼らなくても、自分でより明確に判断できるようになっているはずです。

学生の側としても、気が楽になります。

第1志望でもないのに、「御社が第1志望です!」と嘘をついていると、辞退するのは後ろめたいものです。

何を聞かれても、正直に自分をさらけ出す。

それこそが、一番自分の良さを発揮できる方法なのですから、きっと魅力も増して内定をもらえる率も上がってくるはずです。

そして、

正直な自分を受け止めてくれる企業

それこそが、本当に求めている企業ではないでしょうか? それに出会えるようになるということです。

第2志望だと言った企業がそんな企業だったら、第1志望に変わるかも知れないですよね。

そういうことなのです。

採用担当者の本当の仕事は、疑心暗鬼になって内定辞退率の予測を人に教えてもらうことではなく、学生に誠実に、真摯に向き合って、学生から信頼され、学生が心を開いてくれるようにしていくことだと思います。
辞退しそうな人を落とすことではなく、辞退されないような企業にしていく

ということが私の言いたかったことです。

では、今日はこのへんで!

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