仕事を通じてかなえたい夢があると答えた新入社員の割合が、調査開始以来2番目に低い58・9%だったことが分かった。前年比7・1ポイントの減少で、減少幅もこれまでで最も大きかった。
仕事を通じて叶えたい夢があると答えた新入社員の割合が大幅減 (2015年8月2日掲載) – ライブドアニュース
を読んで。
これは新入社員へのアンケートですから、つまり会社の中で「仕事を通じて夢を叶えたい」と思っている人が少なくなったということです。
ここしばらくは新卒は売り手市場ですから、そうでないときと比べれば、自分の好きな会社に就職することは簡単なはず。それなのに、「仕事を通じて夢を叶えたい」と思う人が何故減るのでしょう?
一見、矛盾しているように思えますが、私はこれには次のような理由があるかなと思いました。
学生の安定志向の表れ
売り手市場ですので、大企業への就職がしやすくなります。できれば有名企業、大企業というのは、大多数の学生の希望ですので、多くの学生が大企業に集中します。
そして、今の学生の皆さんはわかっているのです。企業に入れば、まして大企業であればあるほど、「会社とは自分の好きな仕事ができるという場所ではないのだ。」と。
つまり、大企業志向と同時に職業観は覚めてきている。というか、就職というのは、「夢を叶える」というようなものではなく、将来の安定のためにしかたなくするもの。そういう気持ちかも知れません。
大企業志向の是非については、ここでは本題ではないので別の機会に譲るとして、この「会社とは自分の好きな仕事ができるという場所ではないのだ。」という見方については、私は間違っていないと思います。
「仕事を通じて夢を叶えるんだ!」と気負って入社しても、まず間違いなく壁にぶち当たるでしょう。
会社はあなたの夢のために存在しているのではありません。
会社とは毎月一定の給料をもらえるという安心と引き換えに、あなたの能力と時間を差し出してもらう、そういうシステムです。
会社の夢を実現するために、会社はあなたを雇ったのです。会社の夢のためにあなたは使われるのです。
そこを勘違いしてはいけません。
本当に自分のやりたいことをする、自分の夢を実現したいのであれば、自分で起業するかフリーランスでやることを考えるべきです。
そういうことを、今の新入社員は分かっているのですね。
だから、その点では、つまり現実をきちんと冷静に把握しているという意味で、この傾向は決して悪いことじゃないと思います。
ただ、なんかちょっと寂しいなあと感じるんですよね。
でも、あなたの「夢」はいったいどこに行ってしまったのでしょうか?
会社に勤めるということは、自分の「夢」と決別するということなのでしょうか?
私自身、自分の夢を追いかけるという生き方は決してしてこなかったので、この件については何も偉そうなことは言えません。
ただひとつ、もしあなたが、「俺は本当に実現したい夢がある!」という熱い気持ちを持った人であれば、あなたの自由を奪う会社というシステムの中に、ずっといるのがはたして良いことなのか、一度考えてみるのは、今後のために決して無駄じゃないんじゃなかな。
と思うのです。