内定が出たのはうれしいのだけど、その企業は第一志望ではなく、第一志望の企業はまだ選考途中。結果が出るのは早くて1ヶ月先。ところが、内定が出た企業からは2週間以内に入社承諾書を出せと言われた。
このようなケースは良くありますね。どのようにすれば良いか、ケース別に考えてみましょう。
1.期限が来ても入社承諾書を出さないケース
まず、これはお勧めできません。
期限が来ても提出が無ければ、企業から督促があるでしょう。そのときに、「実は他社の選考が・・・」と言わざるを得ないので、「それが分かっているなら何故期限が来る前にそう言わないのか?」ということになり、あなたの評価がガクンと落ちてしまいます。
期限が来ても督促が無い場合、企業は入社する意志がない、すなわち内定辞退とみなすこともあります。
督促があった場合、無かった場合、いずれにしても、あなたが持ち駒を減らす可能性しかありません。
2.期限までに入社承諾書を提出し、第一志望の企業が受かったら辞退するケース
とりあえず期限までに入社承諾書を出しておけば、あなたの持ち駒はキープできるでしょう。
第一志望の企業に落ちても、滑り止めとして確保しておくことができます。
問題は、後で第一志望の企業に受かった場合です。
先に内定をもらって入社承諾書を出していた企業を辞退することになります。
その場合は、「入社します」と企業に約束したのを破るわけですから、場合によっては企業が怒ったり、しつこく説得して来たりする可能性があります。
企業にとっては、手間ひまかけてやっと良い人を見つけたのに、逃げられては計画が狂うし、今までの努力がムダになるので、何とか引きとめようとするのは当然です。
また、内定をくれた企業の面接で、他に受験中の企業があることを言っていた場合、すんなりと入社承諾書を出したあなたを疑いの目で見ることもあり得ます。「他社を選考中と言っていたのに、その会社はどうするつもりなんだろう?」ということです。
どちらにせよ、先に内定をくれた企業に対して、遅かれ早かれあなたが負い目を負うことになるということになります。
ですからこのケースもオススメできません。
3.第一志望の企業の結果が出るまで入社承諾書の提出期限を伸ばして欲しいと頼むケース
私としては、可能な限りこのやり方を勧めています。
他社のことを第一志望であると言う必要はありません。
まだ受験中の他社があり、その結果が出るまで1ヶ月かかりますので、申し訳ございませんが、入社承諾書の提出をそれまでお待ち頂けないでしょうか?
と電話で頼んでみてください。
尚、こうしたお願いの場合はメールではなく、必ず電話でやってください。その方がこちらの気持ちが伝わると同時に、相手の反応もわかるからです。
では、相手はどんな反応をするでしょうか? 2つのケースが考えられます。
まず、あなたのことを真剣に欲しいと思っている場合です。
その場合は、ここであなたの言うことを聞かないと、「じゃあいいです」となって逃げられてしまう可能性があるので、他社に取られるかも知れないリスクはあるものの、しぶしぶ「待ちましょう」と言ってくれる可能性が高いです。
逆に、あなたのことをさほど欲しいと思っていない場合はどうでしょう?
その場合は、「そんなに待てません。必ず期限までに入社承諾書を出してください。」と言われるかもしれません。
つまり、他の企業に行かれてしまう可能性があるあなたのために枠をいつまでも取り置いておくより、他の志望度の高い受験者を入れた方が得だということです。
このやり方の場合、あなたは貴重な持ち駒(内定)を失う可能性はあります。
でも、失ったとしても、その時はその企業からさほど必要とされていなかった時です。
逆に、入社承諾書の提出を待ってくれたとしたら、あなたはその企業に本当に必要とされている時です。そのことがわかるのは大きいと思います。
まとめ:一番良い方法はできるだけ自分に正直なこと
以上、いろいろ書きましたが、実はこの入社承諾書の提出を待って欲しいというやり方が一番良い理由は、あなたは本当のことを言っているだけなので、こちら側に負い目が何もないということです。
就活のいろいろな場面で言えることですが、基本は正直に本当のことを言うことです。それが良い結果に繋がる可能性が一番高いと私は考えています。
では、今日はこのへんで!