面接などで学生さんに希望の職種をお聞きすると、この4つがごっちゃになっている人がいます。
似たような言葉なので混同しやすいですよね。
「業種」、「業界」、「職種」、「職業」、これらの定義を簡単にご説明しておきましょう。
「業種」や「業界」は企業がどんな事業をしているのかを表します
「業種」とは、おおまかに、その企業がやっている分野を表す言葉です。例えば、「製造業」とか「卸売業」とかですね。この公的な分類については総務省が出していますので、見ておいてください。
「業種」と良く似た言葉で「業界」という言葉も良く使われますが、「業種」に比べて、「業界」というのは、あまり定義がはっきりしていないようです。
「業界」というのは、おおまかに「何を扱っているか」を指すことが多いようです。
例えば、商品として自動車を扱っている企業は「自動車業界」で、その中で自動車メーカーの業種は「製造業」で、自動車ディーラーの業種は「自動車販売業」ということになります。
でもまあ、面接やカウンセリングなどで、「希望する業種は?」とか、「希望する業界は?」と聞かれたら、「自動車メーカーです。」とか答えて問題ないと思います。
「業種」と「業界」の2つはそれほど厳密に考える必要はないでしょう。
「職種」は企業の中であなたがどんな仕事をするのかを表します
上に自動車関係の企業について例を挙げたので、その中で言えば、例えば、自動車メーカーの中には、基礎研究をする人、設計をする人、製造をする人、資材の調達をする人、物流を担当する人、経理や総務や人事をする人、などなど、あらゆる仕事があります。
これについては、ハローワークインターネットサービスの中に下記のページがあります。
「え? 職種じゃなくて職業って書いてあるじゃん」と思ったかも知れませんが、この中に「職種名」と書かれていて、「機械技術者」とか「経理事務員」とかが書かれているのです。
「職種」とは、あなたがその企業の中に入って何をしたいかに直結するので、「業種」や「業界」を選ぶよりも大事かも知れません。
でも、往々にしてここのところを考えられていない人がいます。
「自分は自動車が好きだから自動車会社に入れるだけでうれしいです」という人もいるかも知れませんが、自動車会社に入って「経理事務員」でも良いのですか?ということです。
経理事務員になったら、あなたが毎日見るのは自動車ではなく、パソコンと伝票です。
それに、企業はあなたを雇うにあたって、「この人は何をやってくれそうか?」を見ます。
「何でもいいです」という人より、「自分はこういう理由でこの職種がやりたいです」という方がアピールすることは間違いないですよね。
「職業」はその人の身分?みたいなこと
自動車会社であれ、食品会社であれ、研究の仕事であれ、経理事務の仕事であれ、その人の「職業」は「会社員」です。
そうなると社会人のうち「会社員」以外の人は、「公務員」とか「自営業」とかの大きなくくりになるかと思います。
「あなたの職業は何ですか?」というのは良くある聞かれ方ですが、その場合は「会社員です」と答えるのが正しいかと思います。
でも、この「会社員」というくくりはなんか、ちょっと寂しい気がしますね。
だからと言って、「私の職業はデザイナーです」というと、実際は自動車会社に勤めていてデザインの仕事をしていたとしても、フリーランスでやっているような印象になっちゃいますよね。
誤解を招かない言い方としては、「会社員」が一番無難な感じがしますが、この無難さが、なんか今までの日本的で、ちょっと寂しさを禁じ得ないのは私だけでしょうか?
ちょっと話が脱線しましたね。
では、今日はこのへんで!