先日の投稿で、「業種」や「職種」の定義について書きましたが、今日は、では就職先を検討するのに、何を一番大切に考えるのが良いのかということをお話したいと思います。
私は、一番大事なのは、「職種」だと考えています。その理由を3つ挙げたいと思います。
「業種」を選んでも実際にやる仕事は決まらないから
毎年の就職先人気ランキングを見ると、電機メーカーや旅行会社などが上位に挙がりますね。
「電機メーカー」とか「旅行会社」というのは、「業種」です。
「業種」は、その企業が何をやっているのかを表していますが、あなたが就職したら何をするのかは表していません。
例えば、同じ「電機メーカー」に就職しても、やる仕事は、ある人は研究開発かも知れませんし、ある人は営業かも知れません。もしかしたら経理や人事かも知れません。
就活では、あなたが就職したら、「何をするのか」が重要です。これは、どんな会社に入るかよりも大事なことですが、「業種」だけ選んでも、実際にあなたが何をするのかは決まらないのです。
「職種」を先に決めることで「業種」の選択肢が広くなるから
あなたが何をするのか。研究開発をするのか、営業をするのか、経理をするのか。これを先に決めれば、企業を選ぶ選択肢は非常に広くなります。
例えば、理系の人で「電気関係の設計をやりたい」という人がいたとします。
その場合良くあるのが、「電気関係だから家電メーカー」という選び方をしてしまう人です。
でも考えてみれば、例えば自動車の中にも電気関係がありますし、家の中にも、道路の信号にも、飛行機にも船にもトイレにも電気関係はあります。
「その職種ができれば業界はどこでも良い。」という考えに立てば、企業の選択肢はとても広くなるのです。
私自身は、若い頃は電子関係の技術者でした。そして就職するときには、「電子関係で面白い設計ができる会社がいい」と思って探しました。それで結局は医療機器メーカーに就職したのですが、私は決して医療に興味があったわけではありません。電子関係の設計がしたかっただけです。
自分のやりたい仕事を先に決めて、それができる業種を探す。それが正しい業界研究だろうと私は思っています。
「業種」だけの志望動機は弱くなるから
これから志望動機は、エントリーシートに書いたり面接で言ったりしなくてはいけません。
そのときに、「クルマが好きだから自動車会社」とか「旅行が好きだから旅行会社」という志望動機では、非常にインパクトが弱いです。
何故なら、それだけでは、「あなたが入社したら何をしてくれるのか?」が見えてこないからです。
その企業が生み出すアウトプットは、皆さんが日常目にするものであり、そして一般の人が見て魅力的に見えるのが当たり前のものです。そのように作っているのですから。
だから、「御社のクルマが魅力的」というだけでは、全然志望動機になっていないのです。
志望動機は、「あなたがその会社に入って何をしたいのか」が述べられていなくてはアピールになりません。
そのためには、やはり自分がやりたい「職種」を徹底的に考えて決めてください。
そして、志望する企業ごとのその「職種」の内容を良く理解して、企業がやってもらいたいこととあなたがやりたいことが合致していることが大事です。
そこのところを良く研究するのが、職種研究であり、あなたが就職するための、実戦的な企業研究になるのです。
では、今日はこのへんで!