「役職定年」とは、一定の年齢になると一律に管理職の座を降りてもらい、後進に譲るという制度です。
役職定年後は平社員に戻るので、当然給与も下がります。
この制度は、歳を取った管理職がいつまでも居座ると、次に控えた人がいつまでも役職に付けないことから強制的に交代させるという制度ですが、これは当然のことながら年功序列の人事制度が行われていることが前提です。
言うまでもなく、年功序列制度が立ち行かなくなって少なくなってきている昨今、それを前提とした役職定年制度も、廃止するという企業が多くなってきたようです。
さて、役職定年が廃止されたら、働き方はどう変わるのでしょうか?
一度管理職になれれば、定年まで管理職のままでいられる。
本当にそうでしょうか? それだけでしょうか?
役職定年の廃止は本当に実力が問われる時代の到来
「役職定年を廃止」と聞いて、今役職に就いている人は、ラッキーと思ったり安心したりする人もいるかも知れませんね。
でも実はその逆です。
だって、一度管理職になったら絶対に降格されないのであれば、若い人が育って役職に相応しい実力を持ってきたときにどうしますか?
ポストは限られています。企業が成長期であれば人の成長に合わせてポストを増やしていけますが、今はそんな時代ではありませんね。
となると、やはり歳取って能力に見劣りするようになった管理職には退場願うことはどうしても必要です。
つまり、「役職定年の廃止」というのは、能力に関係なく年齢で一律に切ることはしない。というだけで、役職から降ろされることがないという意味ではないのです。
逆に、これからはいつ降ろされるかわからないということになるのです。
今までは役職定年の年齢になるまでは降ろされないだろうという暗黙の了解もあったのですが、今後はそれもなく、いつ降ろされるかわからないという、本当に実力の世界になるということなのです。
「定年まで役職でいられる。波風立てずに穏便に過ごそう」
などと考えて努力を怠っている人ほど、いつ降ろされるかわからないという時代の到来です。
今まで以上に厳しい世界にはなりますが、これも年功序列の弊害を無くして、本来の姿に戻す過程の一つであると私は思います。
では、今日はこのへんで!