というニュースが出ていました。
内容の良し悪しは置いておいて、経団連会長の言うことはその後の経済界に大きな影響を与えますからね。
さて、今回経団連会長は、
「定年という概念がなくなっていく」
と言いました。
もし、定年がなくなったら、実際問題としてどんなことが起きてくるでしょうか?
定年がなくなったときに起きる良いこととは?
まず、働こうと思えばいつまでも働けるということですね。
もしあなたが、今の職場や仕事が気に入っていて、いつまでもこの仕事を続けたいと思っているのであれば、これからもその充実した仕事人生を送っていけます。
極端に言えば、死ぬまで。
でも、どうですか?
実際は、死ぬほど嫌ではないけれど、決して好きでもない仕事を、生活のために仕方なくやっている。
そういう人が多いのではないでしょうか?
何をかくそう、会社員時代の私自身がそうでしたから。
そんなあなたであれば、死ぬまで今の会社で今の仕事を続ける。って現実的でしょうか?
「だって仕方ないだろ。年金だけじゃ食べていけないし」
そうあなたは言うかも知れません。
だから私はあえて言いたいです。
「仕方ない。で本当にいいんですか? あなたの人生」
では、定年がなくなったとしたら、どうすればいいのか?
私はそうなったら、
辞め時は自分で決める
という時代になると思っています。
自分のセカンドライフはどう生きるのか?
いつ頃今の仕事を辞めて、その後は何をしていくのか?
これを、会社から与えられた「定年」ではなく、
各自が考えて、決めていく。
という時代になるということだと思っています。
定年がなくなったときに起きる悪いこととは?
定年がなくなったときに起きる悪いことは、
リストラが多くなる。
ということです。
企業の側になって考えてみてください。
定年がなくなったら、他に行き場もなく仕方なくいつまでもしがみついていこうとする高齢者の社員が多くなります。
定年前に役職定年などである程度給料が下がったとしても、まだまだ年功序列によってそこそこの給料レベルの高齢者が増える一方では、会社が潰れてしまいます。
かと言って、会社が傾き始めてから慌ててリストラをしたのでは、放り出される社員にろくな支援をすることもできなくなります。
今まで長年貢献してくれた社員に対して、酷い仕打ちをしたくないと思うのは当然のことですので、まだ手厚い支援をすることができる会社が健全なうちに手を打とうと思う会社が多くなるはずです。
それが、これから流行るはずの「黒字リストラ」です。
定年がなくなると、「黒字リストラ」が流行りだす
今までは、リストラと言えば会社が危なくなってきたときに行われるというイメージが強かったと思いますが、もし定年がなくなったなら、そうじゃないのに行われるリストラが流行り始めるはずです。
もちろん、リストラとは言っても、「首切り」というようなものではなく、希望退職者の募集という形で行われるでしょうし、退職金の積み増しや再就職の支援など、手厚い支援策がセットで行われるはずです。
ただ、それはそれなりの原資を持っているある程度以上の大企業での話で、中小企業の場合は、それほどの支援もないままで、辞めざるを得ないということもあるでしょう。
いずれにせよ、「定年がなくなったららいつまでも働ける」と喜んではいられない世界が待っていると思った方が良いでしょう。
実質的には、定年があったときより早く、辞めろという圧力が増してくるという状況もあり得るのです。
「黒字リストラ」はむしろチャンスだと捉えよう
でも悪いことだけでもありません。
定年で辞めるときには、定められていた退職金がもらえるだけで後は何もありませんでしたが、希望退職に応募して辞めるのであれば、積み増しされた退職金や再就職支援が受けられます。
一生会社にしがみつくのではなく、ある程度まで行ったら、セカンドキャリアを真剣に考えようと思っている人であれば、まだまだ元気で行動力も気力もあるうちに、当分の生活の不安を抱えることもなく、余裕を持って新たな仕事を見つける機会を与えてもらえるわけです。
前向きにとらえてこれを利用するのが良いとは思いませんか?
では、今日はこのへんで!