新卒の就活のために、資格をたくさん取っておこうと思う人がいると思います。
資格というのは、本当に就職が有利になるのでしょうか?
残念ながら、新卒の就活では、資格はそれほど役に立つとは言えません。その理由についてお話したいと思います。
新卒に期待されているのは即戦力ではないないから
例えば、「電気工事士」という資格を取った人がいるとしましょう。これは住宅やビルなどの電気設備の工事などをすることができる資格です。
じつは先日、この資格を持った学生さんがいて、一緒に電気工事士を求めている企業を検索してみたことがありました。結果は、新卒の電気工事士を求めている企業は非常に少なく、中途採用ばかりだったのです。
これは何故でしょうか?
電気工事士のように、その資格が仕事内容に直結している資格は、それを企業が求めるときには即戦力としてだからです。
電気工事の仕事をしている企業が、明日からでも仕事をしてもらえる人が必要な場合に募集するのです。
そして、その人にはその工事をする仕事以外は求めていないのです。
ところが新卒の場合は、今採用試験をしても入社するのは来年の春ですし、もっと大事なことは企業は、新卒には別の期待をしているからです。
企業は、新卒には、単に「この技術を持った人」という採用の仕方をしません。
企業は、新卒には、より総合的な立場で、会社の将来を担う人材を求めているのです。
新卒は「何ができるか」よりも「何ができるようになりそうか」
社会人一年生の新卒を育てるのは、とても手間暇がかかります。それでも、企業が新卒を採用して育てようとするのは、まだまっさらな原石を育てて、会社の色に染め、そして将来の会社を担う人材として育って欲しいからです。
そう考えると、企業が新卒に求めるのは、「電気工事士」といった「今何ができるか」という単なる一つの仕事のスキルとかではないということが分かると思います。
新卒の学生に求められるのは、「将来の可能性」です。
この人は、今後育って、どれだけ会社に貢献してくれそうか? 何ができるようになりそうか? です。
大変失礼ながら、あなたが在学中に取ることができた資格などは、皆たいしたことはありません。
その程度の資格は、仕事で必要になったら、後から取ってもらっても十分と思っています。
大事なのは、あなたにその力がありそうかどうか。
あなたに何をしてもらうか、どういう方向で育ってもらうか、あなたという原石を眺めながら、企業は楽しみにしているのです。
あなたは、その企業の期待に応えることができるかどうか、です。
では、今日はこのへんで!