エントリーシートの添削をしていて感じるのは、部活やアルバイトなどで、自分が先頭に立って周りを率いたり、巻き込んだりして成功に導いたというエピソードが非常に多いことです。
何故、学生の皆さんはそういうエピソードが良いと思うのでしょうか?
誰かにそのように教えられたのでしょうか?
でも私は、そのようなエピソードを書ける人が本当に企業から求められているかというと、それには疑問を持っています。
企業が求めているのは上司の言うとおりに動く人
企業に入社したばかりの新入社員の仕事で、自分が先頭に立って周りを率いたり、巻き込んだりすることが求められるでしょうか?
そんなことはないですよね。
企業は組織です。多くの人が協力して一つの方向に動くために、命令を出す人、そしてそれに従う人という、統率のために仕組みができています。
特に新入社員は、まだ何も知らないのですから、既にいる人たちの中でいきなり先頭に立って周りを率いるなどが出来るわけもありませんし、そんなことは求められてもいません。
いやいや、新入社員ではなく、将来のことを考えて、将来的にそのようなことが出来る人を求めているはずだという人もいるかも知れません。
それは確かにあるかも知れませんが、それにしても、あまりに多くの学生さんがいつ役立つようになるかわからない能力ばかりをアピールするのは、いかがなものかと思います。
では、新卒の新入社員としては、どんな人間像が求められていると考えれば良いのでしょうか?
ズバリ、企業が求めているのは、上司の言うとおり動いてくれる人です。
なんだ、そんなロボットのような人を求めているのか? と思うかも知れませんが、それは少々違います。
上司の言うとおり動く人が良い理由は、
素直に人のいうことを聞ける人が成長する人だから
です。
これは就活中の人についても言えます。
キャリア相談室に来る学生さんの中にも、カウンセラーの言うことを本当に素直に聞く人と、あまり人にいろいろ言われることが好きじゃなさそうな人がいます。
そして、そのどちらが早く内定を取るかというと、お察しの通り、素直に聞く人の方です。
これは、私の経験上、明らかにその傾向があります。
何故、企業は素直に人の言うことを聞く人を好むのか?
それは、そういう人は成長するからです。企業の人事は、長年の経験でそれを知っています。
それは、決して、ロボットのように動く人ではありません。まず、成長してほしい。成長することができる人材であってほしい。
企業がそう思っていることの現れなのです。
では、きょうはこのへんで!