先日のキャリア相談室で。
「旅行やホテル業界に興味があるけれど、知識がないので・・・」
と言う学生がいました。
聞くと、会社説明会に行ったら観光学科とかホテル関係の専門学校の学生がいて、自分はそういう勉強をしていないので、ダメだと思ったとのこと。
彼は普通の文系学科の学生です。
企業は、やっぱりそういう専門の勉強をしてきた学生を求めているのでしょうか?
まず、理系を求める職種は別です。
答えは、ある場合にはYESであり、ある場合にはNOです。
まず、YESなのは、研究開発職や設計職、デザイン職などの場合です。
これらは理工系の大学で、機械工学や電子工学、またはデザイン専門学校でデザインを学んだ人などが求められます。
仕事の最初の段階から、そういう基礎的な知識を持っていないと教育にもならないからです。
また、仕事に資格を必要とする場合。
例えば薬局に勤める場合の薬剤師とか、建築事務所に勤める場合の建築士などです。
以上のような例は、つまり理系の人たちについてのことなので、分かると思いますが、問題は冒頭の彼のように、特に仕事に即役立つような専門知識を勉強していない文系の人の場合です。
学科不問の募集であれば、知識の有無は心配なし
冒頭の彼の疑問に対しては、私はこう言いました。
「募集要項に『全学部全学科』と書いてあったら、全然気にする必要はないよ」
募集要項に、そのように書いてあれば、企業は大学で学んだ知識は気にしていないということです。
その業界についての基礎知識は求めていないということです。
冒頭の彼が旅行やホテル会社の会社説明会で、観光学科とかホテル関係の専門学校の学生を見たのは、そういう学校に行っている学生は、そういう業界を目指している可能性が高いというだけのことで、企業が求めている人物像がそうだからということではありません。
そうでなければ、募集要項に「全学部全学科」などと書かないはずですから。
逆に言えば、もし、企業がその業界の専門知識を持った学生だけを求めているとしたら、世の中の文系の学生の多くは、どこにも就職できないことになってしまいます。
でも、現実はそんなことになっていませんよね。
企業は「これから学べる人」を採用したい
では、専門知識はいらないとしても、どんな人を採用したいと思っているのでしょうか?
それは、「これから学んで成長してくれそうな人」です。
多くの企業では、「総合職」という形で新卒の学生を採用しています。
これは、特定の知識を身につけてもらうのではなく、企業の中で色々な経験をして幅広いスキルを身につけて成長してもらいたいという意図があるのです。
「総合職」の中で学ぶスキルや知識は、特定の専門知識だけではありません。専門学校で学べるようなことではないのです。
つまり、企業に入ってから学んでもらわなくてはいけないことの方が多い。
だから、「これから学べる人」を求めるのです。
そして、そういう人かどうかを、面接やエントリーシートの中から、過去の経験や自己PRを見ることで見つけ出そうとしているのです。
今、その業界の専門知識がないからと言って、ビビる必要は全然ありません。
「やる気と学ぶ気は誰にも負けません!」
そういう人だったら、どんな業界にもどんどんチャレンジして良いのです。
では、今日はこのへんで!