文系の方に多いのは、いわゆる「事務職」を希望する人です。
そういう人に、「事務職の中ではどんな仕事をしたいですか?」と聞くと、ほとんどの人が答えられません。
事務職というのは、「机に座って事務作業をする仕事」という程度でしか捉えられていないのですね。
でも実は、事務職というのは、結構幅の広い仕事なのです。面接で志望動機を言うときに、事務職の中でどういう仕事をしたいのかを言うことが大事です。
事務職の種類について
企業の中で事務職というと、一般的に下記のような仕事があります。
【事務職の種類】1.人事
良く会社の大事な資源は、「ヒト、モノ、カネ」だと言われます。人事は、そのうちの「ヒト」を扱う仕事です。
具体的には、社員の採用、育成や、給与制度、労務管理、それに関わる各種手続きなどです。
人事に携わる社員は、学生の皆さんも就活で人事担当者に会うので分かりやすいかも知れませんが、人事制度に関する知識や法的な理解なども必要な職種です。
【事務職の種類】2.経理
次は、「カネ」を扱う仕事です。
企業を維持するにはお金の流れが必要です。資材や商品を仕入れた際の支払い、給与の支払い、納税といった支出、売上という収入、その差し引きの利益、そしてそれらの流れを経営に必要なデータとしてまとめる財務管理。
緻密さと正確さ、また簿記などの専門知識やコンピュータのスキルも求められる職種です。
【事務職の種類】3.管理事務
商品管理や生産管理など「モノ」を扱う部門です。
商品や資材の在庫が適正であるか、生産性を維持、向上させることのための改善、また法的な規制を受けることについての管理などです。
在庫や工程などの無駄を省き、スムーズに生産から出荷まで行われるようにする。地味ですが、企業の利益を産むための重要な仕事です。
【事務職の種類】4.営業事務
外回りをする営業のサポートをします。
具体的には顧客からの注文やクレームへの対応、伝票や見積書等の書類作成、営業マンのスケジュール調整などです。
事務職の中では、お客様と電話で接する機会が非常に多いので、マナーや常識、さらに機転が効くことも大切です。
【事務職の種類】5.法務
企業の運営をするにあたっての法律的な部分を扱う仕事です。
その範囲は広く、様々な契約書関係、会社の法人登記、特許管理、その他、あらゆる法律的な判断が必要とされる日常の案件が舞い込みます。場合によっては法廷闘争も入ってくるかも知れません。
社会の中で企業が生き残るためにコンプライアンスが非常に重視されるようになってきた現代では、経営に直結したとても重要な部署です。
【事務職の種類】6.秘書
主に経営者や役員などが多いと思いますが、そうした人たちの周りの様々なことをまとめて面倒見る仕事です。
例えば、出張のときの切符の手配、スケジュールの調整、社内外との手紙などのやり取りなどです。
ボスの行動や性格を知り、常に先を読んで気を利かせる、臨機応変に対処できる、細かいところに気がつく。そういう性格の人が必要です。
【事務職の種類】7.総務
会社の中で、重要だけれどどこの部署にも属さない仕事が結構あります。それは総務部門の仕事となります。また、会社の本社機能と言われる部分はかなりが総務の仕事です。
例えば、株式の管理、社宅や社屋の管理、車輌の管理、情報システム、広報や広告などです。
何でも屋的でありながら、会社の一番重要なところにも関わる幅の広い仕事です。
企業によって大きく異なる事務職の仕事の分担
ここに挙げた7種類については、一般的な分類です。大企業であれば、これがさらに細分化された部署になっていることもありますし、小さな企業であれば、極端な場合、「総務部」という一つの部署の中でこれらの仕事を全部やっているところもあります。
どの部署でどこまでやっているか、どこで仕事を切り分けているかは、本当に企業によって様々です。
ですから、あなたが事務職をやりたいということであれば、その企業での事務職とは、いったいどういう仕事なのかを良く確かめておくことをお勧めします。
専門的なスキルが求められるようになってきた事務職
いかがでしょうか? おそらく、あなたがイメージしていた事務職より、「なんか難しそう」と感じたのではないですか?
事務職を単に「机に座って事務作業をする仕事」という程度の捉え方しかしていなかった人は、考えを改める必要があります。
事務の仕事は、今は多くが派遣やパートなどに移行してきています。
事務職に限りませんが、新卒で採用するというのは、企業は5年先、10年先に将来の企業を支える人材になって欲しいからです。
新卒で事務職を採用するというのは、その企業の中で、上に挙げたような専門的な仕事のどれかを身につけて、将来、企業を裏から支えることができる人になって欲しいということです。
今は専門的なスキルは無くても構いません。
でも、事務職を希望するなら、その中でも「こういう理由でこれが出来るようになって、こういう仕事で会社に貢献したい」ということを、きちんと志望動機で言えるようになっている必要があります。
では、今日はこのへんで!