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悪い退職理由などありません

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木のボックスの上で寂しく仕事をするビジネスマンのミニチュアの人形

転職サイトのアドバイスなどと見ると、ネガティブな退職理由はダメで、それをポジティブな言い方に変換しましょうというようなことが書かれていることが多いですね。

前向きな人間であることをアピールしましょうということです。

それに必ずしも反対はしませんが、人事としてはこのように思っているということを書きたいと思います。ちょっと一般の就活アドバイスとは違う視点かもしれません。

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面接官は全て分かっています

世の中には理想の企業などなく、そこに勤める人は、いろいろなことに不満を持って、それが我慢できなくなれば、辞めたいと思うこともある。そんなことは当然のことであるのは、人事部門は、企業の中で誰よりも身にしみて知っています。

なぜかというと、人事部門というのは、経営者と社員の間に立ち、双方のニーズに対処しなくてはいけない、言い換えれば、企業の中の矛盾と一番戦わざるを得ない立場だからです。

とんでもない経営者がいて苦しめられることもあれば、残業を多くさせなければいけないこともある。現場にいる管理職は必ずしも部下と上手くやれる上司ばかりではないことも、業績振るわず良い給料を支払えないこともある。

そんなことは、面接官にすれば、世の中一般の良くあることであり、だから、あなたがその事実を客観的に述べることは、何のマイナス要因にはならないのです。

だって、あなたにとっては、一生を左右するかも知れない「転職」までも考えざるをえないきっかけとなった、とても大きな事実だったのですから。その事実を隠して、とりつくろったポジティブ理由をひねり出して、どうするというのでしょう。

あなたの本当の苦悩は、覆い隠しても必ず、面接官には「何かある」と感じさせてしまいます。隠していることが分かってしまいます。

隠していることがわかれば、なぜ、この人は隠そうとするのか? ということになります。つまり、知られてはまずいような理由があるのだろうと思えてしまうのです。

そう勘ぐられたら、圧倒的にあなたは不利です。

だから、本当のことは言った方が良いのです。

不合理な我慢を強いるような会社は滅びる時代です。

会社はなぜ、転職理由を聞くのでしょうか?

それは、「あなたがまたすぐ辞めてしまわないかどうか」を、過去のあなたの行動から推測しようとするからです。

手間暇と費用をかけて採用した人に、すぐ逃げられたら損失が大きいからです。

でも、上に言ったように、自分の企業の中にもいろいろな問題があります。それを不満に思って辞めていく人もいたはずです。

面接官は、そういう問題をはらんだままである、自分の会社に、それでも良いと言って入社してくる人を求め、さらに辞めて欲しくないと願う。

考えてみれば、これってかなり虫のいい話ですよね。今これを書いていて、改めて私もそう思いました。

どんなダメ会社でも、どんなに劣悪な環境でも、それを不満やストレスと思わず、ニコニコ働く社員。

それって、もしかしたら、何も考えていないか、何も感じない社員を求めているんじゃないでしょうか

そうだとしたら、そんな会社はおかしいです。

これからの時代、自分の会社の悪いところを変えようとせず、その悪いところを耐えてくれる社員を求めるような会社は、たぶん、徐々に淘汰されていくと思います。

辞めて良いのです。

あなたの不満が、的を射ているのであれば。

あえて私は、我慢する必要はない。と言いたいと思っています。

そして、それを正直に言って良いのです。

ただ、耐える、我慢する、そういう社員を求めている会社に採用されなくて良いではないですか?

いずれ、そういう会社は衰退していく。私はそう思います。

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