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「勝手にやった残業は残業にならないか?」と労基署に聞いてみた結果

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困った表情のビジネスマン

 

あるネット上での記事に、アルバイトの人に包装の練習を休日に命じたら、それが仕事に当たるかどうかという問題について書かれていました。

この記事では、

会社から『業務命令』を受けてする練習は『仕事』になります。仕事なら当然、その分の報酬を、会社が支払わなくてはなりません」
——ポイントは「自由参加」かどうかですか?
「そうですね。

と書かれています。

やっていることは仕事の「練習」ですから、本人の意思で「自由に練習をしていた」のであれば、それは仕事にはあたらない。というのは誰でも納得できると思われます。

では、本人の意思で「自由に仕事をしていた」場合はどうなるでしょうか?

これもいくらでもありますよね。上司に無断で居残って仕事をしたりすることは。

そういうときは、上司は命じていないのだから、それは残業として扱わなくて良い。と思っている人が多いのではないでしょうか。

かつて、私の職場でこの議論が出たときに、私は労働基準監督署に、「社員が勝手に残って仕事をしている場合は、残業として扱わなくて良いでしょうか?」と聞いてみたことがあります。

そのとき、労働基準監督署の監督官はこう言いました。

いいですよ。その代わり、仕事の成果は受け取らないでくださいね。

これ、言われてみれば、実に当然な理屈です。

包装の練習をするアルバイト氏の例で言えば、包装の練習をして、その後はその包装紙は剥がして捨てたとすれば、仕事の成果物は発生しないので、純粋に練習をしていたに過ぎないといえるでしょう。

その場合は、これは仕事とはみなされないので報酬は必要ありません。

でも、包装の練習ではあったとしても、せっかく包装したのだからこれは商品として使おうということになったとしたら、「仕事の成果物」が発生し、それを会社が受け取ったということですので、報酬が必要となるということです。

この考え方はとても重要です。

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いざというときのための、仕事の成果物という証拠

もし、あなたが不当なサービス残業を強いられていて、正規な残業代を請求したい、もしくは訴え出たいと考えているのであれば、働いた時間の記録だけでなく、この「仕事の成果物」の証拠をキッチリと残しておくことをお勧めします。

「仕事の成果物」は、なにも包装された商品だけではありません。

あなたが書いた報告書、上司に送ったメール、作成した見積書。すべてそうです。

最近では、多くの「仕事の成果物」がパソコンで作成されますので、これらがいつ作成されたか、いつ送信されたかは、自動的にパソコンの中にタイムスタンプや送信日時として記録が残ります。

この記録がとても重要になります。

もし、パソコン上ではない仕事であれば、自分で記録を取るようにしてください。何月何日何時にどういう仕事をしたのか。

タイムカードや出勤簿だけでは仕事をしていた証拠にならないと言われても、実際の成果物をその日時に作っていたということが証明できれば、強力な証拠になります。

そんなことが必要になるような職場に、あなたがいないことをお祈りしますが、基本的な考え方は知っておいて損はないと思います。

 

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