理工系の学生さんの話を聞くと、「研究開発職は院卒でないと採用してもらえない。自分は大卒だから無理」と決めつけている人が結構います。
今日はこの件について、本当はどうなのか考えてみましょう。
大企業の研究職は確かに院卒を求められることがほとんど
と、まず言えます。
大企業での研究職。それは言ってみれば世界の最先端の技術を研究している場所です。
そう考えれば、最低でも修士、できれば博士が求められていて当然と思います。
つまり、学部卒では役不足である感は否めません。これは仕方ないかと思います。
では、中小企業ではどうなのでしょうか?
中小企業なら必ずしも院卒を求めない企業が多い
私の前職は中小の医療機器メーカーでしたが、研究開発部門は院卒と学部卒が半々。中には専門学校卒の人もいました。
さきほど書いたように、世界の最先端の技術ということでなくても、自分が好きな分野でものづくりをしたい。そういうことであれば、中小企業での研究開発の仕事をお勧めします。
中小企業でのものづくりは面白いですよ。
私自身が中小企業で開発の仕事をしていたから良く分かります。
中小企業でこそ味わえるモノづくりの醍醐味
大企業では、大規模な組織で、大人数で開発をします。
そのため、一人の担当分野は、製品全体からすれば非常に狭く、また、巨大なプロジェクトの一員となりますので、自分のアイデアが最終的な製品に反映されるチャンスも非常に少ないでしょう。
大企業での開発の仕事は、かなり分業化され、ある部分の担当になったら、どの製品でもその部分だけを設計している。自分の仕事が全体としてどこに反映されているのか分からない。
そういうことになりがちです。
一方、中小企業での開発は違います。
場合によっては数人程度の少人数でのプロジェクトで開発が行われます。
そうなると、自分一人でその製品のかなりの部分を担当することになります。
責任は大きくプレッシャーもありますが、その代わり自分のアイデアを製品に反映させることができるチャンスは大きいのです。
まとめ:開発の醍醐味が味わえる中小企業で働いてみないか?
と言うのが、私が今日言いたかったことです。
自分のアイデアが活かされるチャンスが多い。
開発の醍醐味って、何と言っても自分の思い描いていたこと、夢が形となって実現されることじゃないですか?
それを味わえるのが、中小企業での開発部門の仕事です。
中小企業での開発部門の仕事のもう一つの特徴は、何でもやらなくてはいけないということです。
一つの製品が世の中に出るには、開発が終わった後も、マニュアル作成や各種基準への適合試験、工場への移管、初期流動対策、必要な各種官公庁への申請や届出等、モノが世の中に出るには多くの過程が必要です。
単に設計や試作だけでなく、中小企業であれば、それらの多くを担当することになるでしょう。
つまり、中小企業では、メーカーの中における、あらゆるフェイズの仕事を経験することができるのです。
これは、あなたのキャリア形成を考えたとき、とても得なことです。
大企業で、ある製品の同じ部品ばかり、何年も同じような設計ばかり、繰り返す。
それより、中小企業でモノづくりの醍醐味を味わってみてはどうでしょう?
では、今日はこのへんで!