ネットでこんな記事がありました。
ある大学関係者から、2月に内定をもらった学生が「この企業はブラック企業ではないか。なぜならルールを守らないから」とその人に相談をしてきたと聞きました。
【採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント】第48回 経団連の指針は、すべての日本企業が守るべき規則ではない | 採用、研修・教育、人事・労務、適性検査情報ならHRプロ
経団連の指針を守らない企業は、本当にブラック企業と言って良いのでしょうか?
マスコミの間違った表現に惑わされないように
企業が採用選考を始めて良い時期を定めたいわゆる「就活ルール」は、あくまでも経団連が傘下の企業に対して決めたものです。
ですから、経団連に参加していない大多数の企業にとっては、そのルールを守る義務もないし、もちろん強制することはできません。
それを全ての企業が従うべきルールであり、従わない企業は悪であるかのようにマスコミが言っているに過ぎないのです。
上の記事の中でも、筆者は、
よくマスメディアは、学生が混乱している、不安を感じていると言いますが、この状況を生み出しているのは、あたかも経団連の指針をすべての日本企業が守るべき規則のように説明する当のマスメディアであることを、なぜ認識しないのでしょうか。
と嘆いています。私も同感です。
企業には「採用の自由」があります
企業には基本的に自由な経済活動の一環としての「採用の自由」が法的に認められています。
「採用の自由」がある限り、国だろうが経団連だろうが、選考時期や選考方法をこうしろと強制することは出来ないのです。
まして、一部の団体が決めた指針を守らない企業がけしからんとか、守らない企業名を公表しようとかは、まったくもって何を言っているのか、法律を勉強してこいという話です。
大学のキャリアセンターでは、こういうことをハッキリと学生に言って欲しいと私は思っています。
「ルールはあるが守らない企業が多いから早くから動きなさい」
と言う言い方で指導をしたら、自分が良いと思って受けたいと思っている企業も、ルールを守らない悪い企業だったのか、と思ってしまいます。
そうではなく、「この指針はルールではない、守る必要がある規則でも何でもないのだ。」という真実を学生に教えてほしいと思います。
おそらく、大学には文科省から直々に別ルートで要請が行っているから、学生に対して指針に反する指導をすることが出来ないというジレンマがあるのではないかと推察しています。
結論:指針に従わない企業も正しい採用活動をしています
ですから、タイトルの「経団連の指針を守らない企業はブラック企業なのでしょうか?」に対する答えは、こうです。
全くそんなことはありません。
指針はルールでも法律でもありません。従う義務は全くありません。
全ての企業は採用の自由の原則に基いて、自由に採用活動をして良いのです。
では、今日はこのへんで!