最近ちょくちょく聞くのが、ちょっと行き過ぎだったり、おかしなインターンシップの話です。
長期間のインターンシップは、決して珍しくはありませんが、問題はその内容です。
正社員と同じように定時から定時までのまる1日で、やっている内容は社員の人たちと同じ仕事そのものだったり。
本来、企業研究が目的のはずなのに、企業理解のための説明など何もしてくれずにアルバイトと同じ作業を毎日やらされるとか。
百歩譲って、働かされたとしても、それなりの報酬が出ればまだアルバイトだと思い直すこともできるかもしれませんが、全くの無報酬だったりとか。
とにかく長期で毎日で、今までやっていたアルバイトはもちろん、学校に行くことすらできなくなったとか。。。
先日はもっとひどい実例も聞きました。
今日はそんな、「ブラックインターン」には注意しましょうという話です。
あまりに長期、長時間なインターンシップはまず注意
インターンシップはあくまでも就活のための企業研究の一環ですから、そのためにそれ以外の就活ができなくなったり、まして授業に出ることができなくなったなどは本末転倒です。
長期のインターンシップは、夏休みや春休みなどであれば、1〜2週間程度のものがありますが、そうでもない時期にあまりにも長期のインターンシップを設定している企業は、そもそも学生の都合を考える気がありません。
また、社員と同じ定時〜定時までとなっている場合も、要注意です。
これらのインターンシップでは、インターンシップとは名ばかりで、実際はタダでアルバイトと同じことをやらせる「労働力」と考えている可能性があるからです。
人手不足のこのご時世、そんな悪どいやり方で何も知らない学生をタダで使える労働力として扱うような企業に、絶対に捕まってはいけません。
まともな就活ができないどころか、学生生活も破壊されてしまいます。
インターンシップで「業務委託契約」が出てきたら止めておけ
先日、ある学生さんから相談があった実話です。
インターンシップの最初の段階で、「業務委託契約である」旨の説明があって、契約書に記名捺印させられたということです。
その学生さんは、仕事をさせられることは理解して契約したのですが、あまりに長時間で上司からの指示も厳しく、仕事がきついので辞めたいと申し出ました。
すると、契約期間内で辞めるのは契約違反なので、損害賠償を求めると脅されたそうです。
この学生さんは安易に契約を結んでしまったことが、最大の間違いです。
この企業は、インターンシップという名で学生を集め、過重な仕事をさせようとしていたのです。
このケースでは法律問題であり、私は弁護士ではなく対応できないので、労働基準監督署に相談に行くことをお勧めしました。
まず、「業務委託契約」などという言葉がインターンシップで出てきたら、インターンシップではそんなことはあり得ないのだと憶えておいてください。
また、「業務委託契約」というのは、「雇用契約」ではありません。「業務委託契約」は個人事業主と企業の対等な関係の場合に行われることであって、明らかに上司の指示命令によって働くことになる、学生さんのような場合には、そもそも成り立たない契約なのです。
この企業は、「入社させることなく働かせる」という目的のために、違法な「業務委託契約」を結ばせていたのです。
企業の選択では先輩の内定者研修も良くみておこう
厳密にはインターンシップではなく、内定後の学生さんのケースだったのですが、内定者に出身校に行かせて、企業が主催するセミナーなどに何人連れて来いというノルマを課している企業がありました。
この場合は、インターンシップではなく、「内定者研修」の一環ということだったのでしょうが、入社前から何らかのノルマを課して働かせるというのは、あまり感心するやり方ではありません。
このようなケースは違法とまでは行きませんが、おそらくこの企業では入社後も厳しいノルマが課される仕事だろうということは想像できますよね。
先輩からこのような話を聞いたときには、よく考えた方が良いでしょうね。
以上、色々とひどいケースをお話しました。
インターンシップは、良いものであれば業界研究、企業研究の一環としてぜひ積極的に行くべきですが、こんなひどいものもあるということを頭に入れておいてくださいね。
では、今日はこのへんで!