という記事がありました。
「学生は1社内定するまでに、平均13社落ちるのだ。」
と書かれていますが、「大量エントリー」をしている限り、これは当然です。
今日はそのわけを少し具体的に見てみましょう。
簡単にエントリーできることは採用されやすいということではない
就活をするにはリクナビ、マイナビなどの就活サイトを使うことはもはや必須ですが、そこでは、気になった企業にクリック一つでエントリーすることができます。
100社くらいにエントリーすることはいとも簡単にできてしまいます。
学生が簡単にエントリーすることができるようになっているのは、就活サイトの顧客である企業が簡単に「母集団」を得ることができるようにするためです。
「母集団」とは、新卒採用の業界でのちょっと特殊な用語なのですが、採用選考をする学生をまず多く集める。その集まった学生を「母集団」と言います。
採用担当者は、採用シーズンの中でいくつかの指標を気にしながら採用をします。
それは内定者数であったり、内定辞退者数であったり、訪問学校数であったりするのですが、採用の初期段階でまず大事な数字がこの「母集団」の数です。
「母集団」が多ければ多いほど、企業にとっては採用するための選択肢が多くなるので、良い人材を必要数確保する可能性が高くなるからです。
採用される人数は決まっています。
企業が「母集団」を多く求めるのは、多く採用するためではなく、多く集めた方が良い人材に巡り会える可能性が高くなるからです。
だからエントリーをしやすくしてハードルを下げているのです。
ここのところが大事です。
これを学生の側から見た言い方に変えれば、
エントリーは簡単だけれど、それは決して採用されやすいということではない。
ということをまず理解しなくてはいけないということです。
エントリーしただけではまだスタートラインにも立っていない
エントリーができると、それで第一段階進んだ感じになってしまいます。
エントリーしたというのは、企業にとってはどういう状態かというと、
「あなたの存在を企業に知らせる」
ということです。
それ以上でも以下でもありません。それだけなのです。
エントリーをしたら、その中から企業がそれぞれの基準で選んで、会社説明会や選考の案内を出すかも知れませんし、場合によっては何もしない企業もあります。
何もしない企業の場合は、
「選考に進みたければ別途、会社説明会や選考に申し込んでね」
ということです。
その場合は、あなたの方から、さらに会社説明会や選考に申し込むという「行動」を起こす必要があります。
そうしないと、何も進みません。
つまり、
エントリーができたからと言って、実際はまだスタートラインにも立っていない。
ということを十分理解する必要があります。
超有名企業でもエントリーだけは簡単にできます。
くれぐれも、それだけで可能性があるとまでは思わないことです。
有名企業だけ選んでエントリーするという間違いを犯していないか?
エントリーだけならいくらでも、どんな企業にでも簡単にできるものだから、知っている企業名に片っ端からエントリーするということをしていませんか?
エントリーできたら、それでちょっと選考が進んだ気になっていませんか?
上に書いてきたようなことがわかっていないと、そういう勘違いをしてしまいます。
そのような勘違いに気づかずに、有名企業ばかりエントリーし続ければ、冒頭にリンクした記事のように、大量にエントリーして大量に落ちるということになります。
当然のことなのです。
今は売り手市場だと言っても、難関企業は相変わらず難関なのです。
繰り返しますが、エントリーが簡単にできても、それは簡単に入れるということではない。ということ。
十分わかった上で就活に臨んでください。
では、今日はこのへんで!