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副業を禁止したくなる企業側の2つの理由

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鎖で束縛されている社員

正社員の副業を禁止している会社は多いです。

その理由は、主に、副業をすることで長時間労働になり本業に支障を来すこと、本業と同じ業種で働かれることによって企業秘密が漏洩すること、また副業に時間を取られるために残業をしてもらえない可能性がある、など色々なことを危惧するためです。

実際には、就業規則で副業の禁止が規定されていても、そのことで会社に明らかな損害を与えていない限り、正社員の副業禁止は法的には認められないのですが、そのことはここでは置いておきます。

ここでは、実は会社が副業を禁止するには他の理由、それもちょっと会社にとっては厄介な事態になってしまう可能性があるということをお話ししましょう。

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副業先で労災事故に遭った場合どうなるのか?

これが厄介なことその1です。

例えば、副業先で事故に遭って、本業も休業せざるを得なくなった場合、労災保険から休業補償が出るわけですが、その金額の計算をどうするか?ということです。

賃金額が計算の元になるのですが、では、それは本業と副業のどちらの賃金でしょうか?

調べてみたところ、現在のところは、副業の仕事中の事故で本業も含め働けなくなった場合でも、補償される額は副業の賃金が元になるということのようです。

わずかな金額のアルバイトをしたために、本業の賃金を棒に振ることになってしまうわけです。これは本人にとっては非常に痛いことですね。

もう一つは、これが実に悩ましい問題なのですが、残業の計算についてです。

複数の会社で働いた場合は残業の計算はどうなるのか?

労働基準法では、下記のように定められています。

労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

なんと、「通算」です。会社単位で残業代の計算をするのではないのですね。

例えば、本業で7時間働いた後、副業で3時間働くと、通算で10時間働きましたので、2時間残業が発生することになります。

では、上記の2時間分の残業代はどちらの会社が負担するのでしょうか?

これも法的には明らかになっていて、残業を発生させた方、つまり後から働いた副業の会社の方が残業代を支払わなくてはいけないのです。

副業の会社は、たった3時間しか働かせていないのに2時間分の残業代を支払わなくてはいけない!

という、とんでもない話になるのです。

実際問題として、副業の会社は、そこで雇っている人が本業でどれくらいの時間働いているかを把握など、しようとするはずもないので、これは実際には到底実行できることではありませんね。

でも、法律ではそうしろと言うことになっているのです。

これから副業禁止はどうなる?

副業禁止は既に時代遅れの制度だと思いますので、徐々に無くなっていくでしょうし、これに関する法的な見解も整備されていくはずです。

ただ、上のような厄介な法的問題があるので、そうは思うものの、現状では総務部門は副業については、あまり語りたがらないのですね。

ですので、そうした大人の事情も考慮して、会社の副業禁止規定については、しばらくは、賢く対処されることがよろしいかと思います。

 

今回、法的な根拠については下記のサイトを参考にさせて頂きました。より詳しい情報を得たい方は、ぜひお読みください。

従業員の副業をめぐる法的問題:ビジネスガイド調査記事 | 『日本の人事部』
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