スペシャリストとジェネラリストのどちらを目指すべきでしょうか?

Mechanical design office

企業が採用をするとき、「総合職」と「一般職」に分けて採用することが多いですね。 就活中の学生のみなさんも、自分は総合職がいいの...

という記事の中で私は、

「総合職」と「一般職」という区分けではなく、一部の企業ではジェネラリストとスペシャリストという区分けも出てきています。

と書きました。最近ときどき耳にするこの言葉について、今日は考えてみたいと思います。

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スペシャリストとジェネラリストとは何か?

まず、それぞれの定義について見てみましょう。

ビジネスでは、『職能』を表す言葉に「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」があります。 変化の激しい現代において、目指すべき働き方の理想像は個々人の考え方や業種、職種に応じて相違が出るかと思います。自身の働き方をよりクリアに考えられるよう、「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」の違いを理解しておきましょう。

によれば、

スペシャリスト《specialist》
特定分野に深い知識や優れた技術をもった人。専門家。(大辞林 より)
専門家、エンジニア、デザイナー、マーケッター、プロモーター、ディレクター、営業、経理、法務、研究員 など

ジェネラリスト《generalist》
分野を限定しない広範囲な知識・技術・経験を持つ人。(大辞林 より)
役員、マネジメント層、管理職、プロデューサー、総務、人事、事業家、起業家、個人事業主 など

とあります。

これを見ると、ざっくり言えば、スペシャリストは技術者や専門家、ジェネラリストは管理職、マネージャという感じでしょうか。

そうすると、「スペシャリストになると管理職になれないのか?」と言う疑問が出てきませんか?

まず、そこのところを考えてみたいと思います。

私がいた会社の開発部門でのケースを例としてお話したいと思います。

スペシャリストからジェネラリストへという道

私がいた会社では医療機器を開発していました。医療機器というのは、医学、化学、電子、ソフトウェア、機械という様々な分野の技術が複合した製品ですので、それぞれの分野の専門技術を持った人がまず必要です。

ですから、上に挙げたような分野を専攻してきた学生さんを毎年採用していました。

入社して開発部門に配属されると、しばらく(少なくとも数年間の間)は、それぞれの学生時代の専攻や本人の希望に合わせた分野で基礎的な技術を磨いてもらいます。

まずは、その分野での「スペシャリスト」を目指してもらうのです。

新製品の開発はプロジェクト制で行います。ある製品の開発がGOとなると、プロジェクトリーダが任命され、プロジェクトメンバーが選抜され、その製品の開発プロジェクトが発足します。

では、このプロジェクトリーダとなる人はどのような人でしょうか?

プロジェクトメンバーは、上に挙げたような色々な分野のスペシャリストたちです。そういうメンバーの仕事を理解し、まとめ、推進していく立場であるプロジェクトリーダは、各分野の技術が分かっていることが必要ですし、その製品についての誰よりも深い知識と経験が求められます。

つまり、スペシャリストをまとめる立場であるプロジェクトリーダーは、かつてはスペシャリストの一人でありながら、「分野を限定しない広範囲な知識・技術・経験を持つ人」であることが求められるのです。つまり、ジェネラリストでなくてはいけないのです。

企業によって状況は違うと思いますが、私のいた会社では、開発部門で求められる人材像はそのような感じでした。

若いときは、自分の専門分野を深めるスペシャリストとして。

ある程度経験と年齢を重ねると、後進のスペシャリストをまとめるマネージャとして、つまりジェネラリストとして。

そのようなキャリアパス(キャリアを積む道)が一般的でした。

でも、当然、このようなキャリアパスに収まらない、収まりたくない人も出てきます。また、弊害も出てきていました。

旧来のキャリアパスの弊害

一つは、「自分は管理的な仕事はしたくない。ずっと専門技術一筋で行きたい」という人の場合です。

もちろん、これも一つの生き方であり、良い悪いの問題ではありません。ただ、そう宣言することは即ち、「今の給料から上がらなくても良い」ということを受け入れることになってしまっていたのです。管理職にならないと、給料があるレベル以上は上がらないからです。

「その道一筋」で何十年やれば、会社にとって無くてはならないノウハウを蓄え、無くてはならない人になっています。でも、旧来のキャリアパスしか想定していない会社では、そのような人を適正な給料で雇うことができないのです。

もう一つは、多くなりすぎる管理職対策です。

年を取れば給料が上がる、つまり年功制の賃金は、従来は普通のことでした。今でもそれを既得権として守ろうとすれば、名ばかりでも管理職にしないといけないということで、不必要な管理職を増やしてしまったのですが、今、その是正が多くの会社で必要になっています。

社員が「管理職になりたくない」ということや、「管理職はもういらない」ということが今、多くの企業で起きていることなのです。

ジェネラリストからスペシャリストの時代に

大企業でリストラされた中高年の方が再就職の面接で、「あなたは何ができますか?」と聞かれたときに、

「私は部長ができます」

と言ったという、笑うに笑えない話がありました。

この人も、若い時にはきっと何らかの分野のスペシャリストだったと思います。それが、長い間ジェネラリストをやってきたために、自分の中のスペシャリストの部分がすっかり風化し、残ったのは、ジェネラリストとしてのスキルだけになってしまったのです。

もちろん、優れたジェネラリストは会社にとって必要であり、優れたジェネラリストが転職市場でもニーズはあります。

でもそれは、単に「部長ができます」というのではなく、風化していないスペシャルな部分があってこそ、それを前提としての話なのです。

その意味で、これからはジェネラリストではなく、スペシャリストの時代だと私は考えています。

ぜひ、「自分の中のスペシャルな部分」は何なのか? それを棚卸しし、また磨いていって頂ければと思います。

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