内定をもらうのはうれしいのだけど、複数の内定を持って、「どっちの会社に決めようか?」と、ちょっと贅沢な悩みをもっている人も少なくないようです。
「どちらの会社に入るのが正解なのか?」
これは、一生を決めるかもしれない人生の大きな分岐点です。そんな大きな選択は、どうやって決断すれば良いのでしょうか?
私はどうやって一生勤める会社を選んだのか?
私自身の昔話をしましょう。
私が新卒で就活をしていたときも、たまたま2つの企業からほぼ同時に内定をもらいました。
A社は医療機器メーカー、B社はビデオ関連機器のメーカーでした。
私は就職先を選ぶのに、「独自の技術を持っていて、面白い開発の仕事ができそうな企業」に入りたいと思っていました。
その点で内定をもらった2社はどちらも条件を満たしていました。仕事は両方とも私の好奇心と、ものづくりをしたいという欲求を満たしてくれそうでした。
私は医療には特に興味はありませんでしたので、製品の分野としてはB社の方が面白そうに感じました。
ただ、会社の規模や資本金額はA社がB社の倍近くありました。
つまり、安定性ではA社、仕事の面白さではB社ということだったのです。
で、結局私はどちらを選んだと思いますか?
A社を選んだのです。
医療機器に直接興味はないにせよ、仕事内容はそこそこ面白そうだったということと、やはり会社の規模は大きい方が良いという価値観でした。
結局その会社に新卒で入社して、まさかの定年まで勤め上げることになったのですが、あのとき、もしB社を選んでいたら、私は今何をしていたでしょう? おそらく、全く違った人生を歩んでいたと思います。
きっと、結婚相手も違う人だったでしょうね。
安定性では劣るように見えたB社も、あれから37年経ちますが、まだ立派に仕事をしているようです。
で、今私がアドバイスできる結論は何か?
ということなのですが、実は、「何もない」のです。
つまり、何が正解だということはないということです。
私の場合も、たまたまそこそこ不幸にならずにここまで来ましたが、かと言ってあのときA社を選んだのが正解だったのか、B 社を選んでいたら不幸になっていたのか、それは今でも分かりようがありません。
つまり、どの会社を選ぶのかは、正解、不正解の問題ではなく、二股に別れた道のどちらを行くか? というだけのことなのです。
その後にどんな道があるのか、どんな道であることが自分にとって幸せなことなのかは、誰にもわからないのです。
でも、アドバイスが「何もない」ではさすがに、せっかく読んでいただいているのに申し訳ないですから、3つだけ書かせていただきますね。
親の世代の価値観にとらわれない
あなたのご両親の世代は、高度成長時代に会社生活を過ごし、長い間勤めれば徐々に給料が上がる年功序列の世界に生きてきました。自分が何をしたいか?よりも、会社に忠誠を誓い、会社に従うことで幸せを築いてきた人たちです。
それが良い悪いではなく、そういう価値観がしみついていますので、今の時代の価値観と違います。
彼らは、「大きな会社に行け」「安定した会社がいい」と言うかも知れません。
でも、そういうステレオタイプなことだけを価値観において会社を選ぶのは、もう陳腐だとあなたは感じているはずです。
その感覚は、間違っていないと思います。
入る会社は自分が決める
そして、親に言われたからと言って、それで会社を決めないようにしてください。
私が採用担当をしていたとき、本人はうちの会社を気に入っていてぜひ入りたいと言っていたのに、親がどうしても賛成してくれなくて、辞退しますという人がいました。
私は彼のその後が気になります。
どこか他の良い会社に入って幸せになってくれていればいいのですが、そうではない就職をして、「あのとき親の言うことなど聞かなければ良かった」と後悔しているのだとしたら、不幸です。
後悔しないたった一つの方法。それは、「自分が決める」ということです。
人生における全ての選択は正しい
そうは言っても、自分でどうしても決断できずに、親の言うとおりにしてしまう。私が昔やったように、最終的に資本金額で選んでしまう。
また、一生懸命考えたのだけど、自分の考えが浅かったということもあるかも知れません。
でも、それも皆、あなたが悩みに悩んで最後に取った方法であるならば、それは決して間違いではないのです。
これは就職に限ったことではないのですが、人生には多くの選択の場面があります。
この先、転職だったり、結婚だったりするかも知れません。
人生における全ての選択は正しいのです。
何故なら、人生に無駄なことは何もないからです。
どう選んだとしても、その結果によってあなたは何かを学ぶことができます。
そして、人生の目的は、究極的には、あなたが「学び、成長すること」だからです。
あなたが、自分で考え、自分で道を選び、そしてそこにある学びによって成長することができれば、それが成功した人生と言えるのではないでしょうか。