面接で落ちる人ができていないことと、受かる人ができていること

面接を受ける大学生

ある日の新卒採用面接のことだ。

ちょっと暗い雰囲気の彼女。

その履歴書を見ると、文系の大学を出た後、もう一度専門学校に入り直している。

学校を途中で辞めたり、または卒業後に再度学校に入り直す人は結構いる。

こういう場合面接官は、突っ込みどころが来たと思う。

「突っ込みどころ」とは決してダメ出しという意味ではない。

興味をそそられて、深く聞いてみたくなるポイントということだ。

ところが、彼女に再度学校に入り直した理由をたずねると、大学卒業時に就活を失敗したらしい。大学院に行ってさらに勉強しようとも思ったが、結局、周囲のすすめもあり、就職に有利と思われる資格が取れる専門学校に行った。資格欄には書ききれないほどの資格が書いてあった。

話す彼女の顔を見ていると、勉強したいと言ってはいたが、就職できないので大学院へという、よくあるパターンであることは明白だった。そして資格取得に走る。

自己分析が不十分で、自分の適性ややりたいことがはっきりせず、周囲に流されて、結局、軸が定まっていないので、それが面接で分かってしまい、不合格になる。

軸が定まっている人は、面接していても、すごく透明感がある。

「あ、この人はこれがやりたいんだな」

そうはっきり感じることが出来さえすれば、あとはやりたいことと、企業がやって欲しいことのマッチングさえできれば内定だ。

でも彼女の場合、それがなかった。聞けば聞くほど、うわべだけの言葉が続く。彼女の中から出てきた言葉じゃないのだ。何度も言葉に詰まったのは、決して緊張しているからだけではなかった。

面接官の立場としては、申し訳ないけれど、この人は当然不採用だ。

そして、面接官としては、ここでこの人とはもう関わることはない。

私の仕事は今まではそうだった。でも・・・

以前に各社の採用担当者が集まる会に参加していたことがあった。

その時に私は、「採用担当者の仕事は企業の利益になる人を選ぶこと」と言ったら、「確かにそうだと思うけど、なんか違うようにも思う」と言った人がいた。

その、「なんか違う」に今、私は答えを出そうとしている。

これからは、私はキャリアカウンセラーとして、彼女のような人を支援していくのだ。企業の利益のためではなく、個人の幸せのために働くのだ。

面接の場で、彼女を見ながら、そんなことを一瞬、考えていた。

あなたには、きっと良いところがある。それを見つけるんだ!がんばれ!

そう心の中で、もう二度と会うことのない彼女につぶやいていた。

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