という記事を読みました。
これを相談した学生さんは、A社の面接のときに第一志望のB社を受験していることを言わず、後からB社に受かったので、A社に内定辞退の連絡をしたら、「面接で言ったことは嘘だったのか?」と詰め寄られたとのことです。
確かに、面接では「話したら不利になるかもしれないと考えてB社の名前は挙げなかった」と書かれているとおり、本心を隠していたのでしょう。
一時的には不誠実な態度を取ってしまったとは言えるでしょうが、そのことに対して、「申し訳ない」と思い、「謝ることしかできませんでした。」と書かれているのですから、十分に償いはしているはずです。
そういう相手、しかも学生に対して、採用担当者が「あれは嘘だったのか?」と詰め寄ると言うのは、紳士的な社会人、大人としては、取るべき態度ではないだろうと私は思いました。
申し訳無さだけで自分の行動を決めないことが大事
就活も終盤にさしかかると、こうした企業と学生の腹の探りあい、駆け引きの場面はどうしても多くなります。
私は就活の中で、どんな理由があれ、嘘はできるだけつかない方が良いと思っているのですが、この例のように、つい嘘をついてしまうことも、正直あるでしょう。
この相談者さんに対して私が感じたのは、この人は、とても真面目で、相手の気持ちも考えられる、良い人だなということです。
ぜひ、その気持はこれから社会人になっても忘れずにいて欲しいということと同時に、勇気を出して辞退したこと自体は間違っていないということも大事にしてください。
自分がしたことに対して、「申し訳ない」という気持ちを持つことは良いけれど、そのために自分の人生を犠牲にするような選択は、決して正しいことではありません。
最近よくあるのが、「会社を辞めたいけれど後の人に迷惑をかけるので辞められない」とか、「他の人が働いているのに申し訳なくて有給休暇が取れない」とか、いわゆる「良い人」が自分を犠牲にしてしまうパターンです。
迷惑はお互い様が世の中のルールです。
あなたが就職した後でも、いくらでもそういう場面はやってきます。
将来転職したくなったとき、「自分が抜けると迷惑がかかる」というのは、仕方ないことです。
一斉に休むのでない限り、自分が有給休暇で休んでいるときには、他の人は働いているのです。それを申し訳ないと思っていたら、永久に休めません。
これはもう、お互い様なのです。迷惑といえば確かに迷惑かも知れませんが、それを言っていたら、お互い何もできなくなってしまうのです。
採用と就活においても、企業も全部言わないことはいくらでもあるし、あなたも企業に隠していることもある。
ここのところを、「たぬきときつねの化かし合い」だとか、「だから嘘ついてもいいんだ」じゃなくて、「申し訳ない」という気持ちを持ちつつ、毅然と自分の行動を決めるときには決める。
そのあたり、難しいのですが、社会人としては大事になってくるところなのです。
では、今日はこのへんで!