あるネットの記事によれば、
「採用段階ではどうしても、女子学生の優秀さが目立ってしまう」
という、多くの採用担当者が感じる現象に対して、それが何故かといういくつかの説について検証していました。
でも最終的にこれだという結論は出ていませんでした。
確かに私も長年新卒採用をして来た中で、「何故女子の方が優秀に見えるんだろう?いや実際ほんとに優秀だし」ということを実感して来ましたし、他企業の採用担当者仲間でも、そういう人は多かったです。
ですから、これは俗説というより、ある一定の事実ではあるのだと思います。
では、本当にそうであるとしたら、その理由は何なのでしょうか? 何か生物学的、遺伝学的な理由でもあるのでしょうか?
実は、これにはカラクリがあるというのを、以前どこかで読んだことがあるのです。
(以下に書くことは、私の説でなく、以前にどこかに書かれていたどなたかの説であることをあらかじめお断りしておきます。)
優秀な男子は大手企業がいち早く採用してしまうから
これが理由だというのです。
最も採用力のある大手企業が一番欲しがるのは、「優秀な男子」である。だから、いち早く他社に抜け駆けて優秀な男子学生は採用し尽くしてしまう。
だから大手企業以外の企業を受けにくる学生の中には、もう「優秀な男子」がいない。その結果として、「優秀な女子」が目立つだけだというのです。
これは2つの理由でちょっとショッキングですね。
日本を代表する大手企業が採用において男女差別をしている。ということと、大手企業以外を受けに来る男子学生はおこぼれであったということです。
この説が本当なのか検証してみた
この説が本当なのかどうかを検証するには、大手企業に採用された新卒学生の男女比率を調べれば良いので、データがないか探してみました。
さすがに、各企業の内定者男女比率というデータは見つけることが出来ませんでしたが、
「マイナビ採用サポネット | 2016年卒マイナビ大学生就職内定率調査」
に、月別、男女別の内定者数というデータがあったので、その数字を元に、男女で内定の出方にどのような差があるかを見てみることにしました。
本当に大手企業が「いち早く」男子学生を選んで採っているとしたら、早い時期には男子の方が内定率が良いはずです。
ところが、結果は下記のようなものでした。
最初の3月頃には女子の内定率が高く、徐々に減ってきているのです。
つまり、このデータでは、「大手企業がいち早く男子学生を選んで採っている」と仮説とは逆の結果となってしまいました。
ただ、今年は重大なファクターがあることを忘れてはいけません。
「就活の後ろ倒し」です。大手企業の内定出しは、「表向き」8月以後となりました。
3月~7月までの間は、表向きは大手企業から正式な内定は出ていない状態でのデータなので、大手企業の本当の姿は分からないのです。
今年については、来年3月末まで待たないと、本当の傾向は見えてこないのかも知れません。
では、
何故、早い時期は女子学生の方が内定率が良いのか?
その理由は何なのでしょうか?
8月以前に内定を正式に出しているのは経団連に所属していない企業(大手企業以外の企業)であるとすると、やはり水面下では男子学生は8月以前に青田買いされていて、表面上には女子が大手企業以外に採用されているように見えるのかも知れません。
または、女子の方が優秀だという思い込みが採用担当者に先入観として植え付けられていて、いち早く女子を採ろうとしたのかも知れません。
いずれにせよ、このデータからは、先に書いた「優秀な男子は大手企業がいち早く採用してしまう」ということの証明はできませんでしたね。
まとめ:継続して研究課題としましょう
ともあれ、これはとても興味深いテーマです。
今後も継続して折りに触れ、研究していきたいと思います。
では今日はこのへんで!