という記事を見て驚きました。
何故今、「総務部」?!
このアンケートは「社会人1年目と2年目の意識調査2015」とのことなので、対象者は、新卒で入社して既に何らかの配属先で働いている人であり、これから就職先を決めようとしている学生ではありません。
つまり、総務以外の職種で働いている人が、「総務はいいなあ」と思っているという結果です。
実は私も、このブログではテーマが就職・採用に関することなので、私の職種を「人事」としか書いていませんが、実際の仕事では半分は総務もやってきました。
だから、総務という仕事は良く分かるし、だからこそ、何故今、「総務部」?!と思うのです。
上に挙げた記事の中では、何故総務に行きたいのかという理由は書かれていないのですが、こんな意見が書かれていました。
「『営業』としてノルマや売上をあげるというプレッシャーから解放されて、給料下がってもいいから安定して定年まで同じ会社で働きたいって思うからではないですか?」
「波がないのが総務で、波があるのが営業です。波があるということは、ドデカイ仕事を成し遂げられる可能性もあり、出世や名声を得るチャンスもあります。そういうダイナミックな仕事をしたいという人が減り、大成功もないかわりに平穏で静かでマイペースで特別に遣り甲斐がなくてもいいから、ラクチンな仕事をしたいと思っている人が増えているからでしょう」
総務は、安定、平穏。そういうイメージがあるのかも知れません。
これはまあ、私は分からないではないです。
実際にその通りだということではなく、部外から見るとそのように見えるということについて、分からないではないということです。
営業はダイナミックに外に出てモノやお金を動かしていますし、目に見える形で利益を生み出しますので、確かに目立ちます。その分、大変さも目立ちます。
一方、総務は確かに目立ちません。というか、会社の中の目立たない部分を担当しているのが総務という部署ですから。
見た目では、机に座って何か事務作業をしているだけにしか見えないかも知れません。その風景を見ているだけであれば、確かに、波風のない平穏な部署に見えるのかも知れませんね。
「総務の仕事は実際はそんなもんじゃない、あなたの知らないこんな苦労がある、総務ナメんな!」
ということは、いくらでも私は書けますが、ここでは敢えてそれを書きません。
その代わり、私が過去に体験したあることを思い出しましたので、それを書いてみたいと思います。
ある、うだるような暑い夏の日でした。
外回りの営業から汗だくになって帰ってきたある営業マンが、プログラムを作っていたソフトウェア開発担当者を見て、こう言ったのです。
いいよなあ。そうやって涼しいところでキーボードカタカタやってればいいんだから。
あなたはどう思いましたか?
どんな仕事に、どんな理由で魅力を感じるとしても、それは人それぞれ自由です。
でも、どんな仕事でも、それぞれに、やってみないと分からない大変さのがあるんだということを思うことができない、想像力のない人間に、あなたにはなって欲しくないなと思います。