あるサイトを見ていたら、面接での自己紹介と自己PRの違いが分からないという人への回答として、
自己紹介とは自己PRのことです。
自己紹介といって本当に自己紹介をするのは馬鹿です。
ということが書かれていたのを見て、オイオイと思ったので書いてみます。
この回答は2つの点で間違っていると私は思います。まず、
自己紹介と自己PRは明らかに違います。
自己紹介とは、あなたの人となりの、主に「事実」を相手に知らせることです。ですからその内容は、氏名・年齢・出身学校・専攻など、転職のときであれば、現職や前職での簡単な職歴や持っているスキルなどです。
こう見ると、履歴書に書かれているようなことですね。ですから、私が採用面接をしていたときには、あらためて面接で自己紹介を求めることはしませんでした。
履歴書を読めば書いてあることを改めて聞く意味はあまりないと考えていましたので。
面接で自己紹介を求められたときにありがちなのは、多く話し過ぎてしまうことです。特に職歴や自分のスキルなどについては、つい多く話してしまいがちですので、注意してください。
面接官に「そこまで聞いちゃいないんだけどなあ・・・」と思わせないようにしてください。
自己紹介は、「広く薄く。」そう意識する程度でちょうど良いです。
では、自己PRとは何でしょうか?
自己PRは自分の売りをアピールすること
履歴書に書いてある、自己紹介的な内容では表せない、あなたの「売り」をアピールすること。それが自己PRです。
そのためには、ただの事実ではなく、次のようなことをアピールしてください。
- 過去に何をしてきたのか
- その結果がどうたったのか(成功だけでなく失敗も含め)
- そこからあなたは何を学んだか
- それをすることで何が出来るようになったのか
- それによって志望企業にどう貢献することができるのか
などを上手くまとめて話してください。
特に最後の「どう貢献することができるのか」が大事です。
企業はあなたを採用したら、「この人は何をしてくれるのか」を知ろうとしています。それが見えてこなければ、決して採用には至りません。
それを感じさせるのが自己PRの目的です。
いかがでしょうか?
ここまでで、自己紹介と自己PRの違いはお分かりいただけたかと思います。
さて、冒頭の回答は「2つの点で間違っている」と言いましたが、その2つ目は何かというと、
面接では聞かれたことだけを答えることが大事
だということです。
自己紹介をしてくださいと言っているときに、自己PRまでしてしまうと、「この人は面接官の質問をちゃんと聞いていない、コミュニケーション能力に欠けている人だ」という評価をもらってしまうことになります。
面接官の質問を聞いていたとしても、自己紹介と自己PRを同じものだと思っていたら、これも同じ結果になってしまいます。
面接では、相手が求めている回答は何なのか? それを的確にとらえることが大事です。
私が面接したなかで、一番ひどかった例は、ある新卒の1次面接のときでした。
私は、「当社のどのような点に興味を持ちましたか?」と聞いたのに、なんと彼女は、最初の方で止めておけば良い回答だったのに、その後、「私は・・・」から始まり、大学時代に打ち込んできたことの話が始まり、完璧な自己PRまでやり終えました。
きっと原稿を作って憶えてきたんでしょうが、聞いてないことまで言わないように、ほんとに、これは多くの人がやってしまいがちなので、気をつけてくださいね。