解雇規制緩和、反対派が賛成派の2倍~労働市場活性化や企業の新陳代謝に期待の声も(1/2) | ビジネスジャーナル
これを見たら、解雇規制緩和に賛成している人の理由は、
「役に立たないのに権利ばかり主張する人を辞めさせられるから」
「ろくに仕事をしていない老害はクビにして新陳代謝をよくするべき」
というような、つまりクビにしたい社員をクビにしやすくなるのでありがたい。という意見のみで、
一方、反対している人の意見は、
「企業による人材の使い捨てが増える」
「再就職が難しい現状で解雇規制の緩和をしたら、失業者が増加してしまう」
「解雇されても就職しやすい環境がないと問題」
つまり、会社に捨てられる、失業してしまう。という被害者的な視点ばかりである。
これはどちらも、解雇規制緩和を何故するのか? が理解されていない意見のように私は思う。
まず、解雇規制緩和は、企業が「クビにしやすくなる」ことが目的ではない。
一番の目的は、労働市場の活性化だと私は思っている。
現在の日本は解雇規制が厳しく、一度正社員で雇ったらちょっとやそっとのことでは解雇できない。だから企業は、採用に慎重にならざるを得ない。
しかし、ダメだったら解雇しやすいということになれば、採用も積極的に出来るようになる。
労働者の側から見るとどうなるかというと、ダメな労働者は、今より雇われやすくはなるかも知れないけれど、クビになりやすくなる。
労働者にしてみれば、厳しくはなる。しかし、終身雇用で、仕事ができようが出来まいが、定年までの雇用が約束され、保護されていた方が、むしろ異常だったのだ。
一方、出来る労働者は、より自分が好む企業への転職がしやすくなる。
つまり、労働者は、自己責任でスキルを磨かないと、クビにされるということはあるけれど、そのかわりスキルを磨きさえすれば、今まで以上に、自分の望む企業に行き易くなる。
これが本来の姿だろう。
企業の側はどうかというと、「ダメな社員をクビにしやすくなる」と喜んでいると、優秀な社員はどんどん抜けていくようになるということだ。
つまり、企業も労働者も、本来の、市場価値に基づいた自由競争の時代になるということ。
それが解雇規制の緩和ということだと私は思っている。
いいんじゃないでしょうか?