福岡県のある市議会議員がブログ記事で噂を取り上げ、デモ参加者の多くが就活で「不本意な結果」に終わると指摘した
デモに参加すると「就活が不利になる」 SNSや掲示板で拡散する話は本当なのか : J-CASTニュース
とのことですね。
果たして、デモに参加すると就活で不利になる、つまり落とされるということはあり得るのでしょうか？
私はこれはないと思います。というか、そういうことをする企業があったとしたら、その企業の方が問題ありです。
採用時に思想を調査するのはやってはいけないことです。
公正な採用選考について｜厚生労働省 という指導の中には、「適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握すること」をしてはいけないと書かれています。
そしてそれに該当する事項の一つとして下記があります。
＜本来自由であるべき事項（思想信条にかかわること)の把握＞
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合・学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
つまり、企業は「デモに参加したか？」とか「安保法制をどう思うか？」とか、「安倍首相を支持するか？」などを面接で聞いてはいけません。
この厚労省の指導というのは、企業にかなり頻繁に行われていて、私がいた会社の本社のあった東京都では、毎年こうした「公正な採用選考について」をテーマとした講習会に参加義務が課されていました。
ですから、こうしたことが禁止であることを企業は「知らない」ということはあり得ません。
ですが、企業もいろいろですし、人事部は知っていても採用面接官によっては、そのような意識がなくて面接でつい質問してしまうかも知れません。
その場合はどう対応したら良いでしょうか？
面接で聞かれたら正直に答えよう
いくらなんでも、面接官が聞いてはいけないと知らずに質問したことを「その質問は禁止されていますのでお答えできません」と言うのは無理ですよね。
言ってみてもいいですが、まず面接官の気分を害して不採用でしょうね。
面接で「あなたはデモに参加したことがありますか？」などと、もし聞かれたら、まさか後で素行調査まではされないと思うので「参加していません」と答えてしまって良いかとも思いますが、私はやっぱり正直に言った方が後々のためかなと思います。
というのは、企業も面接官もさまざまですから、例えば先日のSEALDsの国会前大規模デモのようなことであれば、面接官によっては「あれは俺も参加したかったんだよね」なんてことになるかも知れないです。
（一昔前ならそんな管理職はありえなかったでしょうが、時代は明らかに変わってきています）
逆に、大企業や保守的な企業であれば、「反体制分子」であるとして落とされることもあるかも知れません。
どちらにせよ、あなたがあのデモに参加した人であるならば、そんなあなたと相性の悪い企業、つまり、聞いてはいけないことを面接で聞いたり、あの程度のことで「反体制」だなどと烙印を押す企業はあなたが行くべきところではないですよね。
それがわかることになるので、正直に答えた方が良いと私は思います。
