先日、学生さんの模擬面接をしていたときのことです。
面接は初めてとのことだったので、志望動機に関する質問や自分の長所短所など、よく出そうな質問をオーソドックスにしていったのですが、彼女は、憶えてきたことを一生懸命に全部言おうとしていました。
それがはっきりと分かる受け答えでした。
終わった後に、そのことを言ったところ、彼女は、
できるだけ質問されないように、言うべきことは全部言おうと思いました!
と言いました。
これは2つの点で、大きく勘違いをしています。わかりますか?
面接は面接官から質問されてナンボの世界
これが1つ目です。
面接で、面接官は何を見ているかというと、「会話する能力があるかどうか」です。
これだけだと言っても良いくらいです。
では、会話とは何でしょうか?
質問して答えを言う。それに対してまた質問する。そのラリーですよね。
面接官はそれをやりたいのです。それが出来る人かどうかを見たいのです。
だから、「できるだけ質問されないように」などと言うのは、全く逆方向で、むしろできるだけ質問されるように答える方が良いのです。
それには、面接官の質問に対して、短く、簡潔に、聞かれたことだけを答えることです。
短すぎるかな? と思うくらいでちょうど良いのです。
言うべきことを言えたら良い面接ということは全然ない
これが2つ目です。
言いたいことを言えたから、自分としてはアピールが十分出来た。手応えがあった。
逆に、言いたいことが十分言えなかった。上手く行かなかった。
そう思う人がいると思いますが、これはどちらも全くの勘違いと言えます。
面接は一方的な発表やプレゼンの場ではありません。
あなたの良い所を一方的にPRする場所ではありません。面接官はそんなことを求めてはいません。
先に述べたように、面接官がやりたいのは「会話」です。
「会話」が出来る人かどうかが見られている唯一の点です。むしろあなたが言う内容は二の次なのです。
だから、全て言えたので良い面接だった、言えなかったから失敗だったなどと言うことは全くありません。
「会話」の面接をするのに一番大事なたった一つのこと
では、面接官の求める「会話」の面接をするには、どんなことに気をつければ良いのでしょうか?
それは、相手(面接官)の言う質問を全身全霊で聞くことです。
そして、相手の求める答えを正しく察して、それを言うこと。それだけです。
それはちょうど、相手の打ち出すサーブを良く見ているような感じです。
サーブを見ずに、次はどんな玉を打とうかと考えても無意味ですよね。
それと同じです。
相手の言うことをちゃんと聞いて返す、それを繰り返せば、会話が弾みます。
面接官はどんどん気分が良くなってきて、どんどん質問が出てくるでしょう。
そうなったら、その面接は成功です。
その逆に、あなたが得意満面で答えた後、「わかりました。結構です。」と面接官がその後の質問を続けてくれなかったら、いくらあなたが言いたいことを言えたとしても、その面接は失敗です。
そうならないように、ぜひ、良く面接官の言うことを聞いてください。
面接で一番大事なことは、それです。
では、今日はこのへんで!