合同企業説明会(以下略して「合説」と書きます。)に行ってみるとわかるのですが、企業によってブースの雰囲気にかなり差があります。
そしてこの雰囲気は、かなりの確率で会社そのものの社風を反映しています。
人事部として十数年、相談コーナーのカウンセラーとして1年、数多くの合同企業説明会に参加してきた私が、合説に集まる企業の実態をご紹介しましょう。
【合同企業説明会のブース】大きなブースに派手な装飾の企業
有名な大企業はブースも大きいですが、あまり有名でも大企業でもないのにブースが大きくて装飾が派手な企業もあります。
スライドも静止画じゃなくて動画を流してたり、装飾も多くて、いかにもお金かけてるなあと感じられます。
派手で目立つようにすることは、お金をかければいくらでもできます。でも、作られた装飾からは社風はわかりません。ちょうど、厚化粧の人の素顔がわからなくなるのと同じです。
あなたは、厚化粧の人に魅力を感じるでしょうか?
【合同企業説明会のブース】装飾が手作り感満載の企業
逆に、ブースの装飾が手作り感満載で、お金かけてないなあと感じるブースもあります。
まあ、私のいた会社がそうだったのですが、実際予算がないということはあります。
でも、手作りでイベントの準備するのは、学校の文化祭みたいで楽しくもありました。
そういうことを和気あいあいと楽しんでやる雰囲気はありました。
手作り感満載の企業の人事担当者は、きっと温かくて楽しそうな雰囲気の人じゃないでしょうか?
【合同企業説明会のブース】若手社員が異様に声を張り上げている企業
声が大きくて元気の良い会社もあれば、おとなしい静かな会社もあります。
若手のバリバリした人が隣にまで聞こえるような大きな声を張り上げている会社は、きっと体育会系の社風でしょうねえ。
朝礼で社訓なんかを唱和してるかも知れないなあと思えます。
【合同企業説明会のブース】少人数だけど和気あいあいと和やかそうな企業
人間関係がいかにも良さそうな会社ですね。
こういう会社は決して目立たないですが、話してみるとどことなく惹かれるものがあると思います。
こんな会社を探しましょう。最初のフィーリング、直感は当たるものですよ。
【合同企業説明会のブース】たった1人だけでやっている企業
寂しそうですね。
実は、私がまだ人事部になりたてで、初めて大規模な合説に参加したときはこの状態でした。
1日じゅう立って説明を続けたので、足は棒、喉はガラガラで、死ぬ思いをしました。
次年度からは最低2人で行くようにしました。
だから、こういう企業は、まだ新卒採用に慣れていないのだと思います。
新しい会社か、人が辞めて前任者からの引き継ぎが全く無いということも考えられるでしょうか。
【合同企業説明会のブース】中高年のおじさんだけが座っている企業
中にはいますよ、必ずこういう会社が。
若い人を連れてくれば良いのは分かっていても、年寄りしかいないか、なんでもかんでも偉い人が出て行かないと気が済まない会社かのどちらかでしょう。
まず、新しい企業ではないですね。歴史だけはあるかも知れませんが、体質の古さを感じさせます。
古い、安定した企業が良いという人以外は、あまり近づく必要はないかも知れません。
【合同企業説明会のブース】黒山の人だかりで超人気の企業
話を聞こうと思っても、黒山の人だかりの後ろのほうから背伸びをしないとスライドも見えない。
どれくらい学生に人気がある難関の企業かということをあなたが肌で感じる機会にはなるでしょうが、それ以上のものではありません。
そんな状態で聞いていても、あなたがこの企業の採用で有利になることはありません。
時間がもったいないので、他のちゃんと話が聞ける企業のブースに行きましょう。
【合同企業説明会のブース】とにかく客引きが強引な企業
かと言って、こういう企業に引っ張りこまれないように。
周囲の他の企業の迷惑も考えていない強引な客引き。
こういうことをやっている企業はきっと、本業でも同じようなことをしていると思えます。コンプライアンス的にも問題がある可能性があります。
止めておいた方が懸命です。
【合同企業説明会のブース】誰も来ないので暇を持て余している感じの企業
かと言って、お客さんが来ない、客引きもしない、ぼーっとただ待っている企業はどうなんでしょう。
やる気を感じられないですねえ。
そこにいる人にも、ブースの装飾にも、魅力が感じられないので学生も寄り付かない。
つまりは、企業に魅力がないってことですね。
【合同企業説明会のブース】結論はバランスが取れている企業が良い
こうして色々な企業ブースのケースを書いてみましたが、そう思うと、要はあまり特徴のない普通の企業がいいのかも知れないと思いました。
それは結局、いろいろな面でバランスが取れている企業ということかも知れません。
企業も人と同じで、目立った特徴や能力がなくても、何となく良い人っていうのが、実はパートナーに選ぶのに一番良かったりするのと同じなのかも知れませんね。
では、今日はこのへんで!