私は今、ある大学のキャリア相談室に勤めていますが、昨年の同時期(10月初旬)と比べて、来室する学生さんが明らかに少ないです。
就活対策を教えるキャリア講座の出席者も昨年より少ないですね。
もしかしたら、今年の先輩たちの就活の様子を見て、
「売り手市場だから楽勝じゃね?」
なんて考えていないでしょうか?
今日は、もしかしたらそんなふうに考えていた人に、そう思ってるとヤバイかもよ?
という話をしたいと思います。
売り手市場でも大手企業はやっぱり難関であること
まず、世の中全体の平均では、確かに「人手不足」、「売り手市場」はあります。
でもこれは、世の中の企業の大部分は中小企業だからです。
もしあなたが、大手企業を狙っているのであれば、まず、売り手市場ではないということを自覚してください。
このツイートを見ればわかります。
就活解禁だね。「バブル期を上回る求人倍率!」「空前の売り手市場!」とか煽られてるけど、就活生のみんなは真実を見抜こうな!
人手不足は「300人未満の中小零細企業」中心。みんな行きたい「5000人以上の大手企業」は倍率0.39倍で、2011年以降で一番厳しいぞ! 健闘を祈る! pic.twitter.com/Nxp36OoPUe
— 新田 龍 (@nittaryo) June 1, 2017
ということなんですね。
売り手市場なのは、中小企業だけです。
まず、この認識を持ってください。
就活の準備段階でやらなくてはいけないのは同じであること
売り手市場だから、そんなに急いで就活をしなくても大丈夫。
そう思っていたら、これも違います。
あなたが納得できる就活をしたいのであれば、自分が何をしたいのか、それを実現するためにはどんな業種や企業が良いのか? ということの研究、つまり自己分析と業界研究を十分にすることが大事です。
それをやるにはそれなりの時間と労力が必要です。
これは、内定が楽に取れるかどうかとは、別のことです。
内定が楽に取れるからと言って、どんな会社でも構わないということはないですよね?
むしろ、選択肢が多くなる分、あなたの軸をはっきりさせておかないと、最後まで迷ったり納得できなかったり、場合によっては、入社した後になって、「やっぱり違っていた」ということになりかねないのです。
ぜひ、まだ時間のある今のうちから、自己分析と業界研究を十分にやるようにしてください。
内定を得ても満足できていない先輩が多かったこと
いくら内定が楽に取れたとしても、この自己分析と業界研究が不十分であったために、そこに就職することに自信が持てない、納得して就職できないという状態になっている先輩たちが非常に多いです。
就職が厳しい時代から比べれば、ぜいたくな悩みではあるのですが、複数の内定を並べて最後までどこに行こうか決められない学生さんもいました。
確かに、今は人が来なくて困っている中小企業を受ければ、かなり受かりやすいとは言えます。
だから、手当たり次第に受けた人は、予想以上に受かってしまったりします。
つまり、行きたいわけでもない企業の内定を得てしまうことが多いのです。
行きたいわけでもない企業の内定を複数並べても、決められないのは当然のことですよね。
そうならないためには、決して「売り手市場だから楽」などとは思わずに、就活としてやるべきことをきちんとやることに尽きます。
選択肢が多いのはラッキーなことです。
その幸運を無駄遣いしないように、一生に1年だけの「新卒」というカードを無駄にしないようにして欲しいと願っています。
では、今日はこのへんで!