過労死を防ぐために、あまり働き過ぎないようにしましょう。プライベートな時間も大切にしましょう。そして人生を楽しみましょう。
というのが、一般的なワーク・ライフ・バランスの理解だと思います。
一方、こう反論する人もいます。
上のような考え方は、仕事はストレスであり、長くやることは良くないものという前提に立っている。それはおかしい。仕事が楽しければストレスではない。楽しいのだから仕事とプライベートを分ける必要もない。
この考え方も一理あると思います。確かに仕事が楽しいに越したことはありません。
私は、この二つの考え方のどちらが正しいのかと考えていて、2つの別の視点が抜けていると気づきました。
一つ目は、ワーク・ライフ・バランスというのは、実は雇用対策ではなかろうかということです。つまり、ワークシェアリングの促進です。
あまり働かずに、仕事を分けあいましょう。そして雇用を確保しましょう。
これはこれで、これからの時代、大事な視点です。政府が提唱する理由の第一はこれなのかも知れません。
もう一つは、仕事が楽しければ長時間働いていいではないかという議論に対してなのですが、これは自分のことしか考えていないと思うのです。
楽しく仕事をする本人の一方で、毎日帰りが遅い父や夫のことを家族はどう感じているでしょうか。
ワーク・ライフ・バランスということが、「人生の幸せ」を目的とするのであれば、家族のことを考えないのは、やはり片手落ちではないでしょうか。
そこのところを、私はふと思った次第です。