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残業が多い業界、少ない業界についてざっくりと言えること

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電通の新入社員の女性が過労死自殺をした事件については、マスコミやネットで多くの記事が書かれています。

私も、学生さんの相談に乗って企業への就職を手伝っている立場上、せっかく希望を持って世の中に巣立つ彼らが、将来不幸なことになってほしくないと、祈るような気持ちでいます。

でも、企業は入ってみないとわからないことが多く、難しいのですが、企業を判断する多くの軸の中でも、残業が多いか少ないかについては、ある程度推測は出来るのです。

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売るモノによって、残業の多い少ないはある程度決まってくる

電通の元社員の人が書いたブログです。

「広告業界という無法地帯へ」 - 月刊ショータ
電通の新入社員が自殺して、超過勤務による労災が認定されたという出来事が、メディアで連日取り上げられている。若くして人生を諦めてしまった女性社員の無念と、ご家族の心痛と、友人や同僚たちの動揺を思うと、僕の心も穏やかではいられない。 僕は二〇〇...

この中に、こんな文章がありました。

理由のひとつは、「電通は自社でモノを作って売っている会社ではない」ということだ。自社の工場を動かす会社なら、製造量を制限して「はい、ここまで」と電気を消して、社員を帰らせれば済むかもしれない。しかし、広告業界というのはクライアント企業から仕事を請けて初めて仕事が発生する受注産業である。

僕がいた頃でも、「残業は月○○時間まで」、「夜十時以降の残業をする際は、上長の承認を事前に受けること」などといった非現実的な規則が導入されていった。夜九時に営業から電話があって、「あの件、変更になった! 明日までに代案を出せって!」と言われたりしたなら、「上長の許可が得られませんので対応できません」と答えろとでも言うのだろうか。それを営業はクライアントにどのように伝えるというのか。また、営業は、そう言うコピーライターに次に仕事を頼みたいだろうか。

 

 

私がいた企業はメーカーでした。

つまり、形あるモノを作って売っている企業です。メーカーというのは、作ることができなければ、売ることができなければ、困るのは自分だけです。

仕事の量や進めるスピードを自分でコントロールすることができるのです。

しかもBtoBですので、お客さんに会うのも基本的に昼間、そして土日も基本的に休みです。

だから、営業の現場は残業や休日出勤が少なかったです。その意味では楽でした。

メーカーの場合、開発や製造部門は場合によっては、納期直前だと残業がかなり多くなる場合もあります。でもそれも納期直前の一時期だけであり、慢性的ではありません。

ところが、広告業界のようないわゆる、「受注産業」はそうではありません。

クライアントが仕事そのものなのです。

そしてクライアントは人であり、売るモノも、アイデアという、形のない捉えようのないモノです。

このブログにはこんなことも書かれていました。

長時間残業が減らない理由をもうひとつ挙げるなら、アイデアという無形のものを扱っているため、企画においては「これで完成」ということがない。 コピーを考えるにしても、あと一時間考えたらもっといいモノが書けるのではないか、これでいいのだろうか? という疑念は常に脳裏を離れることがない。

ということになるのです。

ここが形のあるモノを作っているメーカーとの決定的な違いです。

受注産業であり、アイデアを売る仕事である以上、残業が多くなるのは、本質的なことであり、避けられないということは言えます。

政府は、今回の過労死事件を受けて、残業時間上限の法的規制を厳しくすることを進めて行きそうですが、間違いなくそれでは問題は解決しないでしょう。

結論:残業が多いのがイヤなら受注産業はやめておけ

広告業界やイベント業界など、アイデアを提案していくスタイルの営業職に魅力を感じる学生さんは多いです。

仕事の魅力は確かにあります。ダイナミックで夢もある仕事です。

だからこそ、電通でも皆がやりがいを感じて頑張っていたという面は間違いなくあるでしょう。

でも、あなたがこれから就活で企業を選ぶ軸として、「人間らしい生活」とか「残業が少ない」とかの方が大事だと考えるのであれば、間違いなくそういう業界は止めておいた方が良いでしょう。

夢と希望を持って世の中に巣立つ学生さんに対して、不幸にならないために、今後ははっきりとそう言っていこうと私は思っています。

では、今日はこのへんで!

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