私は今、ある大学のキャリア相談室で就活相談員応じる仕事をしていますが、今年の3年生の話を聞いていて一番感じることがあります。
それは、昨年以上の選考開始の早期化です。
何故、今年はこのような状況になったのでしょうか?
就活ルールは実質的に今年から廃止されたと同じ
経団連が2021年春入社の新卒から就活ルールを廃止すると発表したのは2018年の10月ですが、この発表によって、各企業の人事担当者の気持ちとしては、
もうすでに就活ルールはないと思って良い
という気持ちが蔓延したのだと思います。
今までは就活ルールは生きていて、世の中全体の雰囲気としては、それに従ってやるのが正しく、経団連に入っていない企業には従う強制力はなかったものの、従わないでやっていた企業は、後ろめたい思いを少なからず持っていたりしました。
でも、今回の経団連による「就活ルールを廃止すると決めた」発表があってからは、もう就活ルールはないと思って良い、つまりそれを守らない後ろめたさのようなものは無くなったのだと思います。
今年増えているのは選考直結型のインターンシップ
超売り手市場が続く今年の状況下で、実際に各企業がやったことは選考の早期化です。
ただ、各企業が一番学生を集める手段である、リクナビ、マイナビという媒体が、今年はまだ就活ルールに沿った例年通りのスケジュールで動いています。
つまり、就活サイトで募集要項を出し、選考日程を公表してエントリーを集めるのは来年の3月1日からなのです。
それまでは、リクナビ、マイナビで告知できるのはインターンシップです。
そこで企業は、インターンシップで集めた学生を即、選考に結びつけるということをやっているのです。
一番多く聞くパターンは、インターンシップに行くと、その後にすぐ選考会の案内が届くというものです。
インターンシップに行くと、1次試験を免除する。ということをやっている企業もあります。
また、インターンシップそのものが名ばかりで、実は面接だったということもあります。
では、学生の側としては、このような今年のインターンシップに対しては、どのように臨んでいけばいいでしょうか?
学生は企業が練習の機会を与えてくれたとプラスに捉えよう
インターンシップは本来、業界研究の1つの手段ですから、学生の皆さんは、今年もそのつもりで行けばいいです。
企業の側は早く良い学生を獲得したいと思っていたとしても、それは企業側の都合ですから、学生の側は、あくまでも「応募」ではなく「研究」のために行けばいいのです。
そんなに志望していない企業でも、あまり深く考えずインターンシップに行って良いです。できるだけ多く行って業界研究を深めましょう。
インターンシップに行くと、いきなり面接されたり、集団でグループディスカッションさせられたりと、予想していなかった選考っぽいことになってしまうかも知れませんが、本命の前に練習をさせてくれていると思えばいいのです。
ビビることなく、率直に自分を出してみましょう。失敗しても、落ちたって良いところです。それも経験です。
就活で成功する秘訣のひとつが、やっぱり「場数」です。
予期せぬ選考の早期化というマイナスに捉えるのではなく、なにごともプラスに捉えて積極的に利用していく。
その姿勢を持った人が、早く経験値を積んで、早く内定をつかむのです。
では、今日はこのへんで!