夏休みが終わった頃以後の採用担当者の一番の悩みは、「内定辞退」ですね。
学生もあらかた就活を終わり、複数の内定を得て、どこの企業にしようか最終決断をする時期だからです。
企業としては、内定を出した学生には何とかして来てもらいたいということであの手この手を考えていると思いますが、内定辞退に関しては、私が大学のキャリア相談室で日々学生に接していて感じることがありますので、今日はこれを書いてみたいと思います。
学生が企業を決める決め手は、間違いなく「人」です。
もちろん、企業としても、学生に接する採用担当者の人当たり、印象は大事だということは意識していると思います。
それが企業の印象を左右するからですね。
でも、今日私が言いたいのは、
採用担当者が与える印象の影響は、企業が考えているより明らかに大きい
ということです。
学生は、とても良く企業を見ています。
企業を訪問したときの受付の人に始まって、会社説明会のスピーカーの人、面接官、そして選考途中で常に関わってくれていた採用担当者。
学生に企業の印象を聴くと、これらの「人」の印象を言うことが非常に多いのです。
学生が企業を決める段階になると、もちろん、人それぞれ求めていた様々な要素に照らして企業を選んでいきます。
仕事内容、勤務地、休日、残業の多さ、将来のキャリアの見え方。などが多いです。
もちろん、それらの要素に照らして自分にメリットの多い企業を選ぶのですが、最後に迷ったときに出てくる要素が、「採用担当者の人が・・・」ということです。
「採用担当の人がとても良い人だった」
「採用担当の人がとても気にかけてくれてありがたかった」
「頻繁に連絡をくれて大切にされているのがわかった」
そうした採用担当者の印象が決め手となって企業を最終決断する学生が、とても多いのです。
この比率は、間違いなく採用担当者のあなたが考えいてる以上のはずです。
今は大学のキャリア相談室で働いている私ですが、数年前までは企業で採用担当者をしていましたので、間違いなくそう感じます。
これから社会に出る彼らにとっては、全く未知の世界で、知っている人も誰もいない企業に飛び込んでいくのですから、少しでも安心できる人がいることはとても心強く感じるのです。
学生が辞退をためらう理由の第1も、間違いなく「人」です。
就活終盤の時期にキャリア相談室に来る学生に多い相談内容は、内定辞退についてです。
辞退しなければいけない企業があるのだけれど、そこの採用担当者の人がすごく良い人で、とても良くしてもらった。
だから、断るのが非常に心苦しい。
そういう相談が本当に多いのですよ!
今の学生は、企業が思っている以上に、人の感情に敏感でナイーブです。
ドライに自分の人生にとって一番良い選択をしても良いのだけれど、本当によくしてくれたので断りづらい。辞退の連絡をしなければいけないのがつらい。
と言うのです。
どうですか?
内定辞退を少しでも防ぎたかったら、企業が取るべき対策は、たった1つと言っても良いです。
そしてそれが最大の効果を上げる対策でもあります。
採用担当者であるあなたが、本当に学生のことを真剣に考えること。
企業の利益になる学生を採用するのが、あなたのミッションですが、相手は「人」です。
学生は、
「本当に自分のことを考えてくれているかどうか」
を敏感に見抜きます。
学生一人ひとりに、今まで以上に真摯に接し、不安でいっぱいの彼らに寄り添う。
その姿勢を学生は見ているのです。
同じ人間同士。
一生懸命やる気持ちは、必ず通じるのです。それをあなたがまず、信じることができるかどうかです。
では、今日はこのへんで!