男女雇用機会の均等化、男女差別の撤廃、女性の積極活用。
など言われて久しいのですが、多くの企業での実態(ホンネ)としては、未だに女性を採用したがらない企業が多いというのが、現実です。
その理由は何なのでしょうか?
意外なことなのです。
女性を採用したがらないのは、女性が辞めなくなったから
「え?」
と思われた人も多いかも知れませんね。
今では産前産後休暇や育児休業は法律で定められていて、それが取得できない企業はありません。
女性は結婚し、子どもが生まれることになったら、どうしても産前産後休暇や育児休業を取らざるを得ません。
男性も育児休業の取得は可能であるとは言っても、まだまだ実際に取得する男性は圧倒的に少ないのが現状です。
一昔前なら、寿退社と言って、女性は結婚したら辞める。結婚して辞めなくても、子どもが出来たら辞めるということが一般的でしたが、育児休業の取得が一般的になってからは、育児休業期間が終わったら、また職場に復帰する女性が非常に多くなりました。
そこが問題なんです。
また、
「え?」
と思われた人も多いかも知れませんね。
辞められたら困るけど、戻ってきてまた働いてくれるならいいんじゃないの?
ということですよね。
ところがそうでもないところが難しいところなのです。
優秀な女性がいるとします。
その女性が出産をし、育児休業を10ヶ月間取ることになりました。
その人はかなりの仕事をこなしていましたので、いなくなった間、他の人がカバーすることができる量ではありません。
ですから、欠員補充として新しい人を雇う必要が出てきました。
それもパートでは能力的、時間的に足りません。
正社員で、育児休業を取った女性社員と同じくらいの能力を持つ人を雇う必要が生じたのです。
そして、10ヶ月が過ぎました。
育児休業を終わった女性が職場に戻ってきました。
さあ、どうしましょう?
そこには既に彼女と同じような能力を持った後任の女性がいて、10ヶ月の間に業務もすっかりマスターしています。
その人に、「前にいた人が帰ってきたから辞めてくれ。」と言えますか?
言えませんよね。
人情的にもそうですが、法的に、そんな解雇はできません。正社員ですからね。
つまり、そういうことなのです。
優秀で戦力になっている女性であるからこそ、育児休業を取られると困るのです。
必要に応じて欠員を補充していたら、育児休業を取る人がいる度に社員が増えていってしまうのです。
でも社員を増やすことをしなければ、仕事が滞ってしまうのです。
正直、困ったことです。
そういう問題が生じる可能性が高いので、まだまだ、ホンネでは女性は採用したくないという企業が多いのです。
特に、組織が小さく人員もギリギリ、配置転換も難しいという中小企業ではその傾向が大きいです。
実際、私がいた企業も中小でしたので、上に書いた問題は生じていました。
私がいた企業では、欠員を正社員採用で埋める余裕はなかったので、なんとか期間雇用のパートを採用して切り抜けました。ですから、残ったメンバーに業務の負担が及んでいました。
今日は、良い悪いの議論は置いておいて、まだまだ企業の中で実際にある現実についてお話しました。参考にしてください。
では、今日はこのへんで!