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もう信じられない経団連の指針にどう対処すれば良いでしょうか?

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なし崩しというよりも正反対の動きだった今年の指針

(この記事は2015年6月に書きました。)

今年の新卒採用は、経団連の示した「採用選考に関する指針」にのっとって、選考開始の解禁が従来の4月から8月からに変更になりました。

企業も学校も学生も、皆それを知っていたわけですが、案の定、蓋を開ければ・・・。

6月時点での学生モニターの内定率は35.1%と3割を超えました。前回調査(今年5月)の17.9%から17ポイント以上増加しています。昨年までの選考解禁時期である4月は2割ほどの内定率だったため、選考解禁前のこの時期に3割超というのはかなり高い水準と言えそうです。
16卒モニター学生の6月初旬の内定率は35.1%、 選考解禁前でありながら高水準に |株式会社ディスコのプレスリリース

なんてことはない、昨年より早く選考も内定出しも行われているのが実態でした。

経団連の出す指針というのは、過去に何度かあり、そのたびにそれが形骸化して何度も見直しがされて来ました。

経団連に参加していない企業は従う必要はないし、法的強制力もないとは言え、経団連に参加している大企業でさえ、というか、そういう大企業の方がこぞって前倒しの選考を始めているようです。

 

何故、いつもいつもこのようなことが繰り返されるのでしょうか?

私はこう思います。

経団連の会合に顔を出しているような大企業のトップは採用の現場を知りません。そうした企業のトップに対して、国はいろいろな要請をします。

かくして、現場不在のまま、とんちんかんな指針が作られます。

一方現場の採用担当者は、こう思います。

「今年は選考が8月からだって?!とんでもない。経団連に参加していない企業はとっくに選考を開始してるから、そんな頃には売れ残った学生しか残ってないに決まってるじゃないか! よし、水面下で動け。他社の選考が始まる前に優秀な学生をゲットしてしまえ!」

その結果が上に引用した現在の状況です。

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現場を知らないトップが指針を作るからこうなる

今年は選考開始が8月からだからとのんびり構えていた学生は、既に周りに内定が出始めているのを見て、慌てているかも知れません。それを見て、話が違うじゃないかと感じている人も多いです。

「大人の世界は嘘つきだ。正直者がバカを見る。」と思ってしまう気持ちも分かりますが、これは嘘つきと言うよりも、世の中の構造そのものがこういう結果を生み出しやすくなっているということです。

政府、大企業、中小企業。この間には、思っている以上の大きな壁があります。それら相互の間で、価値観の共有はまずできないと考えた方が良いでしょう。

もっといえば、大企業であれば、トップと現場は全く違う世界です。

それほどの乖離があるというのに、政府や企業トップは「自分が現場を知っていない」ということに気づいていないのです。

だから、権威のあるところで、現場とかけ離れた、とんちんかんな施策がいつも生み出されるのです。

そして、学校にも上意下達でそれが言い渡される。お上には逆らえません。

報道も、政府や大企業の動きを中心に伝えますので、それが世の中の全てのように、多くの人は感じます。

「大人の世界は嘘つき」とまで言うつもりはありませんが、報道は疑ってかかった方が良いです。渋谷で何万人のデモ行進が行われていても、ニュースには全然出て来ないこともあるのです。

では学生の皆さんはどうすればいいのか?

今年のスケジュール変更は、結局誰も得しませんでした。学生の学業の邪魔をしないということが目的だったはずなのに、結局は、学生の皆さんを翻弄して、今まで以上に学業に専念できない状況を作り出してしまいました。

ですから、来年はまた見直しが必ずされると思います。

何度同じことを繰り返せば気が済むのかと思いますが、おそらくずっと続くでしょう。

新卒採用において、こういうことが繰り返されるのは、私は、「新卒一括採用」というやり方自体が、もう世の中に合わなくなってきている証拠だと思っています。

本来、採用は各企業が自由に、いつでも、好きなやり方でやって良いことです。

これからは、通年採用や既卒の採用をはじめとして、従来の新卒一括採用のやり方にとらわれない企業がどんどん出てくると思います。

例えば、こんなふうにです。

リクルートの新卒採用は新しい風を巻き起こすか
をまずご覧ください。 私は、さすがリクルートと感心しました。 今の新卒採用の問題点を簡潔に表現して、さらにその改善方法をスパッと提案しています。まるで心地よい風が吹き抜けるかの如くです。 例えばこれからの季節に誰もが悩む服装の問題。 私も以...

学生の皆さんは、「採用のやり方も就職の仕方も自由なんだ!」ともっと思って良いです。

少なくとも、政府と一部の企業が結託しただけの指針などは、見向きもしないで良いです。

自分のやりたい時に活動し、自分の受けたい時に受験させてくれる企業を受ける。それでいいのです。

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