面接の場で、「うっ」と言葉に詰まってしまう場面は結構あると思います。
面接官からのある質問をきっかけに、今まで順調だった会話の流れが途切れて場を支配する沈黙。つきささる面接官の視線。額を伝う一筋の冷や汗。。。
いやですね〜! そんな場面はできれば避けたいとことろですが、ではその傾向と対策です。
そもそも何故言葉につまってしまうのでしょうか? ケース別に考えてみましょう。
【面接で言葉につまってしまったケース】1.言おうとしていたことを忘れた。
想定される質問、自己紹介、学生時代に打ち込んできたこと、自分の長所や自己PR。それらは事前に台本を書いて、しっかり頭に入れてきたはずだった。
それを話し始めたのだけれど、緊張のあまり頭が真っ白になってしまった。何も思い出せない!
自分で想定していた質問だからこそ、それが答えられなくなってしまったショックがさらに追い打ちをかけます。
これは、結構あるケースです。でも、これは明らかに準備を間違っているのです。
面接はプレゼンの場ではなく、会話の場です。
「憶えてきたことをスラスラと言う」というのは会話ではないですよね。
事前に台本を書くのは良いです。考えをまとめるために、やった方が良いと思います。でも、一度書いたら、それはいったん忘れましょう。少なくとも、「暗記しよう」と思うことは止めましょう。
それよりも本番でリラックスすることを心がけてください。リラックスさえてきれば、一度書いたことは自然に頭に浮かんできます。
【面接で言葉につまってしまったケース】2.不勉強で質問の答えがわからない。
企業の基本的なことや卒論の内容などをちょっと突っ込まれて聞かれた。「こんなことは知っていないとまずいんじゃないか」「こんなことは知らないと恥ずかしい」というようなことが、わからないので答えられない。
そういう場合は、もう正直に「分かりません」と言うしかありません。
だって、本当にわからないんですから。
やってはいけないことは、当てずっぽうで適当に答えたり、知ったかぶりをすること。
適当に答えていることがバレるのが最悪です。
「わからないことをわからないと言える」というのは、勇気がいることですから、正直さ、心の強さがないとできないことです。簡単ではないのです。
ですから、質問に答えられないというマイナスより、「分かりません」と言えれば、むしろプラスの評価になることもあるのです。
【面接で言葉につまってしまったケース】3.答えはわかっているが言って良いことか悪いことかわからない。
こういう実話を聞いたことがあります。
ある転職の面接で、面接官は中年のおばさん管理職。
面接の中盤で、面接官が聞きました。
「ところであなた、アクセルはできる?」
(アクセル? え? 何? エクセルのことか? それともアクセスのことか? 多分そのどっちかを間違って言っているに違いない。どう答える? 「エクセルのことでしょうか?」と聞き返してもいいのか? でもそれだとこの人に恥をかかせることになる。どうしよう?・・・)
と考えていたらさらに、
「アクセルよ、アクセル。あなた知らないの?」
(うっ。こ、困った・・・)
この人がこの後どう言ったかまでは分からないのですが、面接官も人間ですから間違ったことを言うこともあります。
こういうときは、「大変失礼ですが、○○とは△△のことでしょうか?」と、相手の気にさわらないように十分注意しながら返すしかないでしょうね。
こちらが十分な礼を尽くしていることさえ感じてもらえれば、おそらく笑って和やかにスルーできるんじゃないかと思います。
ここでもし、恥をかかされたと怒り出すような面接官だったら、ちょっとこっちから願い下げじゃないでしょうか。
まとめ:即マイナス印象にはならない。まずは落ち着いて。
理由はいろいろあるでしょうが、一瞬言葉につまって答えられなくなっても、そのことが即マイナス点にはなりません。
まずは落ち着いて、慌てないことです。
私が経験した中でも、「すみません、ちょっとお時間を頂けますでしょうか?」と言ってじっくり考えてから回答したり、「もう一度言い直してもよろしいでしょうか?」と言って回答を仕切り直したりした学生さんもいました。
このときは私は、「お、この人はなかなか沈着冷静で頼もしいな」と感じました。
スラスラと回答するのはもちろん悪くないのですが、詰まってしまってもその後のリカバリーが良ければ、全く問題ないどころか、良い評価になることもあるのです。