第一志望だった大手企業から、残念ながら不採用通知を受け取った人も多いと思います。さて、これから持ち駒の中からどこに入社承諾をしようかと考えている人もいれば、これから仕切り直しでエントリーのし直しと思って、嫌気がさしている人もいるかもしれませんね。
でも、周りの友達の中には、見事第一志望の大手企業の内定を手にして、ガッツポーズをしている人もいるでしょう。そんな友達を見たら、やっぱりうらやましい、というか、妬ましい気持ちになってしまうのは、当然ですよね。その気持ちは良くわかります。
異常だったバブル時期の新卒採用
私の年代は、もう大昔なのですが、当時はオイルショックの余波で、非常に就職が厳しい時代でした。ですから、大手企業に入れるのは、学年で1位、2位くらいの誰が見ても優等生の一握りだけで、その他は、みな、入れるところにかろうじて入る。それだけが精いっぱいな感じでした。
ですから、私にとっては、大手企業に入れる知り合いというのは、それから時代を10年ほど下って、いわゆるバブルの時代になってからの後輩たちでした。
今思えば、あの時期は異常でした。
正直、私の後輩で、「え?あのバカが?!」と思える後輩が超有名企業にすんなり入社していましたし、とにかく大量採用で誰でも入れるので、しかも給料が良いということで、私のような理系、工科系の勉強をしてきた学生が、なぜか銀行や証券会社に大量に入っていきました。
そんなとこで、何するんだよ?・・・と当時の私は思いましたが、そんなことを考える方が当時は「バカ」だったのです。給料も世間体も良い大手一流企業がどんどん採ってくれるのですから、それを蹴る必要がどこにあるのかと。。。。
それから、時代は変わり、現代です。その頃に大量に採用された人たちは今どうしているかというと。。。。
バブル入社組の末路
この層の人事的問題点は偉くなれないということでしょうか?入社人数が多く、ポストが足りないためにライバルを蹴落とし続けてもようやく課長に手が届くかであって部長のイスとなれば余程要領がよいか、リゲインを飲み続けて仕事をしないと無理なのでしょう。
アンケートを見る限りこの層は意外と会社に対して不満を持っており、「出世できなかった」「昇給が思い通りではなかった」「仕事の内容が期待と違った」といった思惑との相違がにじみ出ています。
バブル入社組の苦悩
同期入社が大量であれば、当然のことなのです。給料だけに惹かれて入社すれば、当然のことなのです。
さて、今年は、あのバブル期以来の売り手市場ということが言われています。
さほど深く考えていなそうだった友達が、明るさとイケイケの勢いだけで、首尾よく大手企業に内定をもらったりしているのを、あなたは妬ましく見ているかもしれません。
でもね、特にこれからの時代、人生はそう簡単には進みません。
なぜ今年がバブル期以来の新卒採用ラッシュになったのか
アベノミクスも決してその思惑通りには成果が出ず、世の中の景気は一部の企業を除いて、決して良い状態にはなっていません。
それなのに、何故こんなに採用が多くなったかというと、私は各企業の採用担当者の勇み足だと思っています。
「景気が良くなると各企業は採用を増やす。」だとすれば、「他の企業より早く採っておかないと採れなくなる。」
と考えて、「採れるときにたくさん採っておけ」ということで採用が増えたのです。
それに加えて、今年の「採用スケジュールの後ろ倒し」で、表向きは8月1日前には採用活動をしてはいけないことになりましたので、だからこそ、逆に、「じゃあ皆が始める前に先に採っておけ!」というわけのわからない事態になり、その結果が、解禁日前の異常な内定率の高さです。
つまり、今年採用が多くなったのは、「本当に必要とされて採られたわけじゃない」ということです。
今年は世の中の景気はバブル時期のようにはなっていないけれど、新卒採用はあたかもバブルの頃のようです。
気をつけなくてはいけないのは、大手企業に内定をもらった人
だから私は、さほど深く考えていなくて、明るさとイケイケの勢いだけで、大手企業に採用されて喜んでいる人の将来が心配です。
自分は、実力で採られたのではなく、「採れるときにたくさん採っておけ」ということで採用された可能性があるということを考えておく必要があります。
同期入社が多ければ、入社してからの競争は熾烈です。あなたが求めた「安定」や「将来性」は、社内の熾烈な競争やストレスとの引き換えです。
大手企業に落ちたあなたは、ラッキーです。
8月中旬になって、第一志望の大手企業からお祈りメールを受け取って意気消沈しているあなたは、むしろ、良かったと思ってほしいと、私は言いたいです。
これから、新たに企業を探してエントリーしなおさなくてはいけないのは大変だと思います。
でも、今年は特に、大手企業に内定者を取られて、まだまだ採用活動を続けなくてはいけない中小企業が多くあります。
そういう企業は、「本当にあなたのことが必要だから採る」企業です。「採れるときにたくさん採っておけ」ということで大手企業に採用されるのとはわけが違います。
今は、知名度も企業の規模も小さいですが、未来に夢をかけて、あなたのような若い能力を必要としている未来のある企業が、あなたのことを必要としているのです。
本当に自分のことを必要としてくれているところに就職する。
自分と、企業と、そして未来を見極めることができるあなたには、ぜひ、それを目指してほしいと思います。