ちょっと前なのですが、こんな記事がありました。
僕は結局働くときに3つ条件があるという話をしていて、1つめは仕事のおもしろさややりがい、2つめは給料、3つめが職場の人間関係。これらが3つとも満たされたら最高にいいけれど、実際にはそんな職場はなかなか無いですよね。
でも、2つ満たされていたら結構楽しく働けると思っているんです。例えば給料安いけど職場の人間関係がよくて、仕事やりがいあるから別にいいや、仕方ないと思えるかもしれない。1つになると結構厳しい、きついと思う。で、0だったら今すぐやめろ。でも1つだったら転職して2つにすればいいんじゃないっていう話をするんです。給料、やりがい、人間関係…「1つも満足できない会社は今すぐ辞めろ」 津田大介氏が勧める“転職の基準” | ログミー[o_O]
私はこれを読んだとき、なるほど、なかなかシンプルだけど、当たってるなと思いました。
そして、もうすぐ定年退職する(この記事は2015年に書きました。)という自分の今までの会社生活を振り返ってみて、37年間辞めずにここまで来たのは、実はこの3つの条件が少なからず満たされていたからなのだと気づいたのです。
もちろん、途中で辞めようか、辞めたい、と思ったことは何度かあります。
でも続いてしまった。それは何故だったのでしょうか?
今日はちょっと視点を変えて、このことを書いてみようかと思います。
【私が定年まで辞めなかった理由】1.仕事のおもしろさややりがいがあった。
若い頃は技術屋で開発の仕事をしていました。ものづくりがしたかった私にとって、自分の考えたことが形になって世に出るというのは、純粋に楽しく、エキサイティングな仕事で、仕事がとても面白かったのです。
中年以後は、人事や総務の仕事に移りましたが、全ての仕事が本意であり、面白かったわけではないにしろ、決して嫌で耐えられない種類の仕事ではありませんでした。
【私が定年まで辞めなかった理由】2.給料はそこそこだった。
これは私の勤める会社は決して良い方ではありません。むしろ平均より低いです。でも、旧来の年功序列の最後の世代でしたので、年を取るごとにそれなりに給料は上がっていき、ピーク時の月給はそこそこでした。
【私が定年まで辞めなかった理由】3.職場の人間関係が良かった。
社内に嫌なヤツは少しはいましたし、経営者の考え方にも全面的に賛同できたわけではありません。でも部署内の人間関係で悩んだり嫌な思いをしたことはありませんでした。この点については、非常に恵まれてきたと思います。
つまり、私の場合は、この3つの条件をそこそこクリアしていたから、辞めなかったということです。
でも、この「そこそこ」というところがミソだと思っています。これは見方を変えれば「ぬるま湯」だったとも言えるのです。
良く言えば、「安定」、悪く言えば、「ぬるま湯」。
人生、「そこそこ」なら十分幸せじゃないか、それでいいじゃないかとも考えることはできます。何を贅沢なという人もいるでしょう。
今までの自分の人生を否定したいとは、もちろん思いません。でも、自ら人生を切り開いてきたというような生き方では決してなかったことは確かです。
定年まで勤め上げた多くのサラリーマンは、同じような気持ちを多かれ少なかれ、味わっているのではないでしょうか。
決して悪くはなかった。でも、振り返ってみると、感じる、なんとない、淡い、後悔。
それが、定年という、私の人生の転機から、新たに動き出すための燃料の一つになっていることは確かだと思うのです。